2006 Fiscal Year Annual Research Report
Heparanaseによる癌浸潤転移機構の解明とその制御法の確立
Project/Area Number |
17591471
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮田 義浩 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50397965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅原 利正 広島大学, 病院・教授 (70175850)
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Keywords | Heparanase / 肝臓癌 / 肺転移 |
Research Abstract |
本研究はheparanaseの発現をコントロールすることにより癌浸潤転移機構を解明し、更にその制御法の確立を目的とする。 ラット肝癌細胞浸潤能、遊走能にかかわる因子の評価 Morris肝癌細胞株の浸潤能はトランスウエルチャンバーを用いて定量的に評価し、遊走能はLPA刺激下に遊走細胞数を測定した。LPA投与でMorris肝癌細胞株の浸潤遊走能は著明に亢進し、その効果はRock inhibitor投与で有意に抑制された。さらにこの現象はLPAのかわりに免疫抑制剤を投与することでも確認され、免疫抑制剤投与によって亢進した浸潤遊走能がRock inhibitor投与で抑制された。更にRock標的因子であるMLCのリン酸化レベルは免疫抑制剤投与で亢進し、Rock inhibitor投与で抑制された。しかしこれらの効果はMTTを用いて測定したMorris肝癌細胞株の増殖に対してはなんら影響を与えず、更にMAPキナーゼリン酸化も変化しなかった。すなわち、本実験系におけるMorris肝癌細胞株のin vivoにおける転移巣形成はRockを介した浸潤遊走能亢進によることが証明された。 Heparanase遺伝子発現による、in vivoでの癌転移形態の解析 Morrisラット肝癌細胞株を同系ラットの肝臓に移植することにより、高率に肺転移を発症する。更に肝癌移植後の担癌肝臓を摘出し、免疫抑制剤使用下での同種肝移植を施行しても、やはり肺転移が成立し、この肺転移はRock inhibitor投与により完全に抑制された。本モデルにおいてMorrisラット肝癌細胞株にheparanase cDNAを組み込んだほ乳類細胞発現ベクター(pTet-on&pTet-off)を導入し、heparanase発現を調節することにより、転移巣形成に変化があるか検討中であるが、導入効率など更なる改善が必要である。
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Research Products
(1 results)