2006 Fiscal Year Annual Research Report
大血管手術における新たな脊髄機能モニタリングの開発に関する研究
Project/Area Number |
17591479
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
大城 匡勝 琉球大学, 医学部附属病院, 助手 (00315483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣花 学 琉球大学, 医学部, 助教授 (20274897)
齊川 仁子 琉球大学, 医学部附属病院, 助手 (20404569)
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Keywords | 脊髄機能モニタリング / 大動脈手術 / 運動誘発電位 / 脊髄運動神経細胞 / プロポフォール |
Research Abstract |
脊髄機能モニタリングのひとつである運動誘発電位(MEP)は、大血管手術時の脊髄虚血モニタリングとしてゆうようであることは既に明らかである(2005年に報告済み)。本年度の研究では、従来の脊髄機能モニタリングで用いられていた感覚誘発電位(SEP)と比較し、脊髄虚血の検出速度について検討した。ラット脊髄虚血モデルを用い、MEPモニタリングあるいはSEPモニタリング下に脊髄虚血時間とその後の神経学的予後ならびに組織学的検討を行った。 その結果、MEPはラット脊髄虚血モデルにおいて、1分以内に脊髄虚血発生を検出できたが、SEPでは虚血発生から6分以上経過した時点で50%の検出程度であった。このことから、脊髄虚血の発生を迅速に検出するには、従来のSEPよりMEPが有用であることが明らかとなった。 大血管手術時のMEPモニタリングを行う場合、麻酔震度の調節が重要である。揮発性麻酔薬を用いた場合、脊髄運動神経抑制効果が大きく、MEPモニタリングを成功させることができず、したがってプロポフォールを用いた全静脈麻酔が必須なる。しかしながら、大血管手術においては、大動脈遮断という静脈麻酔薬の薬物動態に影響を及ぼす可能性のある手技が行われる。今回、大動脈手術において大動脈遮断時のプロポフォール血中濃度変化を検討した。 その結果、大血管手術において大動脈を遮断した場合、静脈麻酔薬であるプロポフォールの薬物動態が変化することが明らかなり、術中のプロポフォール投与速度調節がMEPモニタリング成功の秘訣であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)