2007 Fiscal Year Annual Research Report
大血管手術における新たな脊髄機能モニタリングの開発に関する研究〜脊髄誘発電位の高周波振動解析〜
Project/Area Number |
17591479
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
大城 匡勝 University of the Ryukyus, 医学部附属病院, 助教 (00315483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣花 学 琉球大学, 医学部, 准教授 (20274897)
斎川 仁子 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (20404569)
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Keywords | 脊髄虚血 / 脊髄機能モニタリング / 高周波振動解析 / 対麻痺 |
Research Abstract |
ラット大動脈遮断モデルを用い、各種脊髄機能モニタリングの脊髄虚血検出感度について検討した。 ラットは、脊髄機能モニタリングの種類により以下の3群に分けた。 MEP群:経頭蓋的運動誘発電位モニタリング群(N=6) SEP群:体性感覚誘発電位モニタリング群(N=6) HIF群:体性感覚誘発電位高周波解析群(N=6) ラット脊髄虚血は、ケタミン静注麻酔および気切下人工呼吸(筋弛緩薬なし)のもと、Taira & Marsalaモデルを用いた。脊髄虚血は10分間とし、大動脈遮断から30秒、2分、6分、9分および虚血後2分でそれぞれのモニタリングを行った。その後、72時間目の神経学的評価ならびに病理組織学的評価(ニッスル染色)をおこなった。各種モニタリングの脊髄虚血検出感度解析には、ZivinらのQuantitive analysis法を用い検討した。 MEPモニタリング:大動脈遮断後、MEPは30秒以内に有意に変化した。大動脈遮断から50%の確率で脊髄虚血を検出できるまでの時間(P50)は、36秒であった。 SEPモニタリング:大動脈遮断後、SEPは6分以上かかって有意に変化した。P50は6.2分であり、MEPより有意に長かった。 HIFモニタリング:大動脈遮断後、HIFの優位な変化はSEPと同じであった。 以上の結果から、大動脈遮断による脊髄虚血の発生をいち早く検出できるのは、MEPであることが明らかとなった。期待されたHIFに関しては、SEP波形の高周波解析であるため、SEPの感受性に影響されることが示唆された。
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Research Products
(3 results)