2006 Fiscal Year Annual Research Report
eNOS遺伝子導入骨髄細胞で被覆したハイブリッド人工血管のin vivo評価
Project/Area Number |
17591493
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
勝間田 敬弘 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60224474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 房男 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40183719)
堀本 佐智子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40411350)
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Keywords | 骨髄細胞 / eNOS遺伝子 / 遺伝子導入 / 人工血管 / 肺高血圧症 |
Research Abstract |
ラット骨髄から初代培養した骨髄間質系幹細胞(MSC)にアデノウィルスを用いて内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)遺伝子を導入し(MSC/eNOS)、in vitroでのeNOS発現が確認できたため、この細胞を小口径人工血管(内径2mm)内腔に播種した。人工血管でのeNOSの発現を確認するため、抗体を用いて免疫組織学的実験を行ったが、ラットeNOSに対する適切な抗体が見っからなかったため困難であった。そこで、His tagを付加した部分的DNAを元に抗体を作製することを試みている。 MSC/eNOSを人工血管に播種したが、人工血管上での一酸化窒素の分泌を確認するための免疫組織学実験は、ラットeNOSに対する適切な抗体が見つからなかったため困難であった。そこで、His tagを付加した部分的DNAを元に抗体を作製することを試みている。 一方、MSC/eNOSを播種した人工血管をウサギ(日本白色家兎)腹部大動脈への移植実験を行っているが、腹部大動脈と移植した人工血管との間に口径差を認め未だに安定した成績が得られていない。今後は、人工血管径の変更が必要と考えられた。 そこで、MSC/eNOSの生体での効果を疾患モデルで確認することにした。モノクロタリンで誘導した肺高血圧症ラットに、MSC/eNOSを経静脈的に移植し、肺高血圧症の結果生じる右室収縮期圧と右室肥大、生存期間の変化を測定した。モノクロタリン投与後3週間で右室収縮期圧は有意に上昇し右室肥大が見られた。モノクロタリン投与後1週間目にMSC/eNOSを経静脈的に投与したところ、右室収縮期圧の上昇は有意に抑制された。モノクロタリン投与後3週後にMSC/eNOSを投与した群では、上昇した右室収縮期圧は低下しなかったが、生存期間が延長した。これらの効果は、eNOSの遺伝子導入をしていないMSCを投与した群よりも良好であった。これらの結果から、MSC/eNOSの生体での遺伝子発現効果が確認された。 今後も継続して抗eNOS抗体の作製にとりくみ、また同時にMSC/eNOSを播種した人工血管での遺伝子発現効果を確認するために、RIを用いた方法などの導入も予定している。
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Research Products
(3 results)