2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナビゲーションを用いた生体、人脳スライス標本でのてんかん焦点抑制性受容体機能解析
Project/Area Number |
17591505
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
前原 健寿 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (40211560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成相 直 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00228090)
佐藤 勝重 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (80291342)
佐々木 徹 財)東京都老人総合研究所, 老化ゲノムマーカー研チーム, 研究員 (30158927)
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Keywords | てんかん / 抑制性受容体 / ヒト脳スライス / ナビゲーション / ポジトロンCT |
Research Abstract |
本研究では、17名の難治てんかん患者に対してPETを用いたナビゲーション手術を施行した。側頭葉てんかん10例、側頭葉外てんかん7例である。MRIで病変を認めた患者は14例で、3例では病変を認めなかった。FDG-PETを全例に行い、中枢性ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬であるフルマゼニール(FMZ)-PETを13例に施行し,3例では末梢性ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬をtracerとして用いたPETを施行した。今回の研究目的であるFMZ-PETは、MRIで局在病変を認めた症例では、病変周囲に限局した取込み低下部位を描出した。FDG-PETよりもてんかん焦点領域を鋭敏に示す有用な検査と考えられた(研究成果の一部を誌上発表)。また、MRI上病変を認めた症例でも、脳腫瘍の患者では海綿状血管腫の患者よりもより広範囲に取り込み低下部位が描出された。この所見は脳腫瘍に起因した難治てんかんと海綿状血管腫に起因した難治てんかんの外科治療域を知る有用な検査であると考えられた(2005年アメリカてんかん学会で報告)。 末梢性ベンゾジアゼピン受容体は、焦点部位で取り込み増加の傾向を認めたが有意な増加は無く、今後さらなる検討が必要と考えられた。 またFMZ-PET施行した13例中、6例に中枢性ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬であるイオマゼニールSPECTを用いた検査を施行した。FMZとIMZの取り込み低下部位は必ずしも一致してはいなかったが、脳皮質形成異常症例では非常によく一致していた。 また脳スライス標本を用いた研究は着実に成果をあげ、脳スライス標本で測定したFDG-PETの結果が、術前に施行したFDG-PETの結果と相関した信頼に値するdataであることを誌上報告することができた。
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Research Products
(6 results)