2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591523
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
児玉 南海雄 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40004999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 広行 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (10423807)
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Keywords | cerebellum / cerebellar peduncle / evoked potential / intraoperative monitoring / rat / spinocerebellar tract |
Research Abstract |
近年、脳幹部周辺の後頭蓋窩病変に対しても積極的に手術が行われるようになり、脳神経や脳幹の形態さらに機能面での温存が重要な課題になってきている。我々はこれまで、各種脳神経のモニタリング方法を開発し報告してきたが、現在も小脳や小脳脚の障害を評価し得る有効なモニタリング方法は開発されていない。今回の研究の目的は、小脳の誘発電位記録によりヒト後頭蓋窩手術における小脳脚の機能をモニタリングする方法を開発することであった。 実験にはラットを使用した。一側の大腿四頭筋を電気刺激し、刺激同側の小脳上で誘発電位(脊髄小脳誘発電位:以下SCEP)の記録を試みた。得られた波形を体性感覚誘発電位(SEP)と区別するため、ラット大脳一次感覚領野の下肢領域でSEPを同時に記録し、小脳上の記録電極で得られるSCEPと比較を行った。その後、破壊実験を行い、刺激同側の下小脳脚破壊、同側の後索破壊によるSCEPやSEPの電位変化についても検討した。 刺激同側の小脳半球から頂点潜時が11.7土0.3msec(mean±SE)のSCEPが再現性よく記録できた。刺激同側の後索破壊後にSEPは消失したが、SCEPに変化を認めなかった。刺激同側の下小脳脚を破壊すると、SCEPは消失もしくは著減したがSSEPには変化を認めなかった。 SCEPはSEPとは異なり下小脳脚を通過し小脳に投射する電位であると思われ、後頭蓋窩手術時に本電位を測定することで術中モニタリングとして応用できる可能性が示唆された。
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