2005 Fiscal Year Annual Research Report
髄膜腫におけるゲノム異常と放射線感受性の関連についての研究
Project/Area Number |
17591526
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
荒井 啓史 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30285598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 彰 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10204067)
別府 高明 岩手医科大学, 医学部, 講師 (70275543)
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Keywords | meningioma / CGH / genome DNA microarray |
Research Abstract |
頭蓋内髄膜腫(meningioma)の手術標本36例(うちhigh grade meningioma 17例、放射線治療施行後の症例;8例)から腫瘍DNAの抽出を行った。同サンプルDNAからDNA probeを作成し31例に対しCGHによるDNA copy数の検索を行った。また、同一DNAを用いて、high grade meningiomaを主とした12例に対してgenome DNA maicroarray(Chip based CGH)による遣伝子増幅・欠失の解析を行った。 CGHの結果から、DNA copy数の異常を示す染色体領域数は、low grade meningiomaよりもhigh grade meningomaにおいて明らかに多く、また従来の我々のデータや過去の文献と同様に、組織学的に悪性度が高いmeningiomaでは、1番染色体短腕、6番・14番・16番染色体長腕の欠失が有意に多く認められた。但し、組織学的にも臨床上も良性である髄膜腫の中にもhigh grade meningiomaに類似した異常を示す例が存在し、これらの症例が生物学的特長については更に検討が必要である。 genome DNA maicroarrayの結果からは、増幅を示す遺伝子に比し欠失を示す遺伝子が多く、また増幅を示すものでもT/R ratioの低いものがほとんどであった。これは髄膜腫の特徴のひとつであると考えられた。また異常を示した頻度の高いtargetはPRKCZ(1p36.33)、D1S1635(1p36.22)、LMYC(1p34.3)、IGH(4qtel)、PDGFB(22q13.1)などであった。これはCGHの結果と矛盾しないが、これらのtarget遺伝子の異常と髄膜腫の生物学性格の関係については更に検討が必要である。
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Research Products
(3 results)