2005 Fiscal Year Annual Research Report
閉経後骨粗鬆症におけるMIFの関与とMIF-DNAワクチンによる予防効果の検討
Project/Area Number |
17591542
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野寺 伸 北海道大学, 大学院・理学研究科, 学術研究員 (00359481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 芳一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90186841)
入江 一元 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (70223352)
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Keywords | マクロファージ遊走阻止因子 / 骨粗鬆症 / 卵巣摘出 / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / 遺伝子多型 / リスクファクター |
Research Abstract |
1)MIFノックアウトマウス(MIF-KO)および野生型マウス(WT)に卵巣摘出を行い、WTに起こる海綿骨量の低下および破骨細胞数の増加はMIF-KOでは回避されることを明らかにした。(FEBS Lett 2006)。 2)MIFを過剰発現するトランスジェニックマウス(以下MIF TG)および野生型マウス(WT)の骨表現型を詳細に比較検討し、MIF-TGはWTと比較し、in-vivoにおいてi)大腿骨遠位部の海綿骨量が有意に減少していること、ii)骨形態計測により、破骨細胞数に差がないが、類骨面、石灰化面、骨形成率といった骨形成指標が有意に大きいこと、iii)尿中デオキシピリジノリン量が有意に高値であり、骨吸収の亢進を示していること、およびiv)大腿骨におけるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-3,-9,-13,RANKL mRNAの発現が亢進していること、を明らかにした。MIF-TGにみられる高回転型骨粗鬆症は、MMPsの発現亢進がその原因であることが推測された。(J Bone Min Res, in press)。 3)日本人閉経女性301人のゲノムサンプルを用い、MIFの遺伝子多型と骨折既往との関連を検討した。骨折既往と有意に関連した因子は年齢、閉経後期間、BMD(骨塩量)であった。多変量解析を行った結果、閉経後期間およびBMDとは独立して、MIFプロモーター遺伝子の-794リピート回数5/7は5/6に比べ有意に骨折リスクが大きいこと、リピート回数6を有しないものは有するものに比べ、およびリピート回数7を有するものは有しないものに比べ有意に骨折リスクが大きいことが明らかとなった。MIFの転写量を規定するプロモーター部位の遺伝子の多型が骨の質に影響を及ぼしている可能性がある(投稿準備中)。
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Research Products
(4 results)