2005 Fiscal Year Annual Research Report
液性因子処理滑膜由来幹細胞様細胞を用いた細胞療法が自家腱移植モデルに与える効果
Project/Area Number |
17591543
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 英司 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 学術研究員 (60374724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 和則 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20166507)
遠山 晴一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60301884)
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Keywords | 前十字靱帯 / 滑膜細胞 / 細胞療法 / 腱移植 |
Research Abstract |
(1)新しい細胞療法の開発 日本白色家兎の左膝関節上嚢内の滑膜組織から採取した滑膜細胞をコラゲナーゼ処理し4週間培養して滑膜由来幹細胞様細胞を採取した。これらの第一継代細胞を用いて、細胞の3次元的培養が可能なfibrinに包埋し、cell-fibrin sheetを作製した。各細胞の浸潤に関して共焦点レーザー顕微鏡および光学顕微鏡を用いて定量化した結果、1.5×10^6個以上の滑膜由来幹細胞様細胞がfibrin sheet内に包埋されていることが明らかとなり、in situ凍結解凍処理(自家移植腱モデル)への自家細胞投与が可能となった。 (2)液性因子処理滑膜由来幹細胞様細胞を用いた細胞療法が自家腱移植モデルに与える効果 日本白色家兎を使用し、上述の方法にてcell-fibrin sheetを作製した。ここでfibrin sheetにTGF-betal(10ng/ml)を投与し、右膝前十字靱帯をin situ凍結解凍処理した理想化自家腱移植モデルの靱帯周囲にそのsheetを縫着(自家細胞投与)した。12週で屠殺し、組織学的観察および万能引張試験機を用いた生体力学的評価を行った。力学的試験は大腿骨-前十字靱帯-脛骨複合体を摘出し、Video-dimension analyserを組み込んだ生体軟組織材料試験システムを用いて37°生理食塩水中での力学的パラメータの測定を行い、断面積、引っ張り強度、弾性率、破断伸び、最大破断荷重を測定した。その結果、組織学的には線維芽細胞様細胞がACL深層まで浸潤していた。力学的評価では、その引張強度は正常群のとの間に有意差を認めなかったが、TGF-beta1非投与群およびfibrin sheetのみを投与した群は、正常群より有意に低かった(p<0.05)。弾性率に関する比較も同様な結果であった。
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Research Products
(6 results)