2005 Fiscal Year Annual Research Report
脂質代謝調節因子アディポネクチンによる骨代謝調節機構の検討
Project/Area Number |
17591551
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松平 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10302697)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
緒方 直史 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (10361495)
松原 全宏 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40361498)
池田 敏之 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (80322759)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
|
Keywords | アディポネクチン / 骨形成 / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
マウスから単離した骨髄細胞、頭蓋骨由来骨芽細胞(POB)、M-CSF依存性骨髄マクロファージ(M-BMMφ)、M-BMMφから形成した成熟破骨細胞における発現を解析したところ、adiponectinおよびその受容体はすべて発現していたことから、endocrine作用のみならずatocrine作用による骨代謝調節の存在が示唆された。Adiponectin欠損(Ad-/-)マウスの骨組織の解析を行ったところ、同胞雄野生型マウスに比べて外観上も特に異常はなく、骨密度測定、組織形態計測において、皮質骨・海綿骨の骨量、骨代謝回転とも正常であった。しかしながら、Ad-/-由来のPOBおよび骨髄細胞培養系においてALP染色とAlizarin red染色で示される骨形成能が著明に低下しており、内因性adiponectinのatocrine/paracrineによる骨形成促進作用が示された。Ad-/-骨髄細胞からの破骨細胞形成能に異常はなかった。次に、endocrine作用を検討するために、野生型マウスのPOBおよび骨髄細胞培養系に、外因性のrecombinant mouse (rm) adiponectinを添加したところ、insulin非存在下では骨形成を強力に抑制し、insulin存在下では促進した。また、POBのinsulinによる細胞内蛋白チロシンリン酸化、IRSリン酸化、Aktリン酸化誘導は、rm adiponectinの添加によって促進されたことより、adiponectinは骨芽細胞におけるinsulin反応性を増強することが示された。次に、肝臓特異的にadiponectinを過剰発現するトランスジェニックマウスを作成した。このマウスに上記の骨組織の解析を行ったが、骨量、骨代謝回転とも同胞野生型マウスと差はなく、insulin依存性と非依存性のendocrine作用がバランスをとっている状態と推測された。
|