2006 Fiscal Year Annual Research Report
脂質代謝調節因子アディポネクチンによる骨代謝調節機構の検討
Project/Area Number |
17591551
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松平 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10302697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 直史 東京大学, 医学部附属病院, 客員教員 (10361495)
池田 敏之 東京大学, 医学部附属病院, 客員教員 (80322759)
松原 全宏 埼玉医科大学, 救命救急センター, 助手 (40361498)
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Keywords | アディポネクチン / 骨 / 脂肪 / 骨粗鬆症 |
Research Abstract |
アディポネクチン関連遺伝子のmRNAの発現を調べたところ、骨髄細胞、骨芽細胞、マクロファージ、破骨細胞にアディポネクチンとそのレセプターが発現しており、アディポネクチンには、endocrineのみならずautocrine/paracrine作用による骨代謝調節があることが示唆された。 8週齢アディポネクチン遺伝子欠損マウス(AdKO)を解析すると、単純レントゲン写真大腿骨、脛骨、腰椎の骨密度、組織像で有意差を認めなかった。さらに、骨形態計測でも、同胞野生型と比べ有意差を認めなかった。 次に我々は、AdKOマウスと同胞野生型(WT)マウスから骨髄細胞を採取して分化能を検討した。すると、AdKO由来の細胞において、アルカリフォスファターゼ(ALP)、Alizarin red陽性のコロニー数がWT由来の細胞に比べて有意に減少しており、内因性アディポネクチンは、autocrine/paracrineで骨形成促進作用を持つと考えられた。 次に、肝臓特異的にアディポネクチンを過剰発現するトランスジェニック(AdTg)マウスの解析を行った。8週齢AdTgマウスの単純レントゲン写真や、骨密度、組織像、骨形態計測に有意差は見られなかった。 そこで、アディポネクチンのin vitroにおけるendocrine作用を見るため、WT由来の骨髄細胞や、骨髄細胞系のST2細胞にrecombinantアディポネクチンを加える実験を行ったところ、アディポネクチンはBMPシグナルに関与した骨形成促進作用を抑制する一方、インスリンシグナル感受性を増強することで、間接的に骨芽細胞分化を促進する機能を持つことが示された。 これらの結果を総合すると、アディポネクチンには、autocrine/paracrineで働く経路、encodrineとして働く経路があり、これらのシグナルの調節により骨代謝が調節されていると考えられた。
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[Journal Article] Regulation of Bone Formation by Adiponectin Through Autocrine/Paracrine and Endocrine Pathways.2006
Author(s)
Yusuke Shinoda, Masayuki Yamaguchi, Naoshi Ogata, Toru Akune, Naoto Kubota, Toshimasa Yamauchi, Yasuo Terauchi, Takashi Kadowaki, Yasuhiro Takeuchi, Seiji Fukumoto, Toshiyuki Ikeda, Kazuto Hoshi, Ung-il Chung, Kozo Nakamura, Hiroshi Kawaguchi
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Journal Title
Journal of Cellular Biochemistry 99
Pages: 196