2005 Fiscal Year Annual Research Report
疾患モデルマウスを用いた椎間板ヘルニア発症機序に関する分子生物学的検証
Project/Area Number |
17591553
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
麻生 義則 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (50345279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 秀 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究所, 特任教員(特任講師) (30376727)
四宮 謙一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20111594)
小山 富久 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (70361714)
伊藤 聰一郎 東京医科歯科大学, 疾患遺伝子センター, 助教授 (10242190)
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Keywords | 椎間板変性 / 動物モデル |
Research Abstract |
今年度の目標は、再現性良く椎体終板硬化を観察可能な動物モデルとして、マウス尾椎椎間板変性モデルを作成することである。これは、隣接する尾椎椎体に鋼線を刺入し、これを足場として歯科矯正用の超弾性ばねを装着することによって椎間板に軸圧を負荷するものである。再現性のよいモデル作成を目的として、鋼線の材質と直径の最適化、超弾性バネのバネ定数決定と固定法の確立、手術部保護方法の確立による術後感染予防の試みなどを行った。その結果、手術後4週間以内にてマウス尾椎椎間板変性を安定して惹起することが可能となった。組織学的には、椎間板髄核に肥大軟骨様細胞が出現し、ヒト変性椎間板の病理組織像と類似している。また、意図的に側湾変形を作成することによって、側湾の凹側において骨棘を形成することに成功した。マウス尾椎椎間板変性モデルを多数作成し、経時的に組織学的に評価することによって、我々は、椎間板変性に先立って椎体終板の軟骨細胞が肥大化し、やがて骨化することを見出した。これは死体などを用いた椎間板の研究で見出された知見と一致する。なおかつ、この過程において、終板軟骨細胞では肥大軟骨細胞の基質蛋白であるX型コラーゲン、および骨芽細胞分化のマスター遺伝子のひとつである転写因子Runx2の発現が亢進しており、この軟骨終板骨化過程においてRunx2が重要な役割を担っている可能性を見出した(米国骨代謝学会にて発表、竹田、麻生ら、2005年)。
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