2006 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症の分子病態の解明-RUNXファミリー遺伝子変異マウスを用いた検討
Project/Area Number |
17591555
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
神野 哲也 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (90343152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四宮 謙一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20111594)
竹田 秀 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, COE拠点形成特任教員 (30376727)
麻生 義則 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (50345279)
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Keywords | 変形性関節症 / トランスジェニックマウス / Runx |
Research Abstract |
関節軟骨の分化調節の分子機構を、我々が独自に樹立した変形性関節症を呈する遺伝子改変マウスモデルを用いて解明することを目的とし、それらのモデルマウスを用いて変形性関節症の発症の分子機構の解明、治療法の確立を検討するため以下の検討を行った。 軟骨特異的にRunx1、2、3を発現するトランスジェニックマウスの作成とその解析 in vivoでの軟骨分化に対する作用を明らかにするため、Runx3及びRunx1のcDNA全長を軟骨特異的II型コラーゲン遺伝子プロモーターの制御下に発現するトランスジェニックマウスを作成した(以下Runx3 tg、Runx1 tg)。Runx3 tgは出生直後に死亡し、骨格染色からRunx2 tgと同様に肋軟骨の異所性骨化を示した。Runx1 tgは出生直後には明らかな異常を示さなかったが、3ヶ月齢ごろから脊椎の側彎を呈した。組織学的には椎体に明らかな異常はなく、椎間板では異所性に軟骨細胞の肥大化、X型コラーゲンの発現といった椎間板の変性に合致する変化が認められた。Runx2 tgにおいても同様の椎間板の変性所見が認められた。マウス胎児の発生過程における検討では、椎間板に一致してRunx2の発現が認められたが生下時には消失していた。さらに、力学的負荷により椎間板の変性を惹起するマウスモデルを確立し、力学的負荷がRunx2の遺伝子発現を特異的に誘導することを見出した。これらの検討から椎間板変性においてRunx2の誘導が変性を惹起する可能性が示された。
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