2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗炎症性サイトカインの遺伝子療法による関節リウマチの関節破壊抑制の試み
Project/Area Number |
17591557
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
杉山 英二 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助教授 (70179167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 裕幸 , 助教授 (60186210)
村口 篤 , 教授 (20174287)
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Keywords | インターロイキン4 / 遺伝子療法 / アデノ随伴ウイルス / 破骨細胞 / 関節リウマチ |
Research Abstract |
関節リウマチの薬物療法の最終的なゴールは関節破壊を予防することである.近年の抗腫瘍壊死因子(TNFα)抗体療法により、関節破壊にはTNFαが深く関与することが明らかになった.そこで、TNFによる関節破壊(破骨細胞誘導)に対するIL-4遺伝子療法の有効性について基礎的検討を行った.毒性が少なく、遺伝子の安定した発現を誘導できるアデノ随伴ウイルスベクター(AAV-helper-Freesystem, Stratagene)にヒトIL-4遺伝子を組み込み、IL-4-AAVを作成した.IL-4-AAVはヒト末梢血単球に効率よく感染し、IL-4を約12日間発現した.末梢血単球にM-CSF存在下でTNFαを加えると、培養10日前後から破骨細胞が誘導された.この破骨細胞の誘導はRANKLのdecoy receptorであるosteoprotegerinでは抑制されず、RANK-RANKL系の関与は否定的であった.ヒト単球にIL-4-AAVを感染させると、TNFαによる破骨細胞の誘導は強く抑制された.また、TNFαによる破骨細胞誘導に対して抑制効果を有する低分子化合物をスクリーニングしたところ、peroxisome proliferators-activated receptorg(PPARγ)の活性化分子であるciglitazoneが強力に破骨細胞の分化を抑制した.以上より関節リウマチの関節破壊の新たな治療戦略としてIL-4による遺伝子療法とPPARγ活性化分子が有望であると考えられた.(この内容は第50回日本リウマチ学会、第24回日本骨代謝学会で発表した)
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Research Products
(2 results)