2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間葉系細胞と多血小板血漿を用いた骨組織再生促進
Project/Area Number |
17591563
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鬼頭 浩史 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (40291174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 光康 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (50378105)
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Keywords | 骨髄間葉系細胞 / 多血小板血漿 / 仮骨延長術 / 細胞培養 / 骨組織再生 / 細胞移植 |
Research Abstract |
1.骨髄細胞を2種類の培養液を組み合わせて培養し、さまざまな分化度の培養骨髄細胞を作製した。次いで、それら細胞をdiffusion chamberに封入したのちヌードマウスに移植して、in vivoでの骨形成能をX線学的、組織学的に評価した。in vivoにおける骨形成能は、骨芽細胞分化誘導下に培養した細胞において良好に認められ、in vitroにおけるI型コラーゲンおよびアルカルフォスファターゼ活性と相関したがオステオカルシンとは相関しなかった。 2.さまざまな血小板濃度の多血小板血漿ゲルを作製し、骨髄細胞を3次元培養することにより、ゲル内での細胞の増殖能、骨芽細胞への分化能を検討した。細胞増殖に関しては、血小板濃度の高いゲル(血漿中の10倍)で最も良好であった。骨形成マーカーの発現および分泌に関しては、血小板濃度との相関は認めなかった。 3.至適な骨髄細胞と多血小板血漿を用いて、細胞治療を併用した脚延長術の臨床応用を継続し、臨床成績を検討した。細胞移植群におけるHealing Indexは低身長患者で28.6±7.07日/cm、脚長差患者で34.0±4.18日/cmであり、移植していない群の36.6±10.1日/cm、73.4±27.6日/cmと比べ、有意に減少していた。また、合併症の頻度は細胞移植群で6%であったのに対し、移植していないものでは45%であった。すなわち、細胞治療の併用で仮骨形成が著しく促進されることにより、治療期間は短縮し合併症は減少した。細胞治療により、大腿骨のHealing Index(24.4±4.51日/cm)は下腿骨のHealing Index(33.1±6.16日/cm)より有意に小さかったことから、移植細胞の骨形成促進能には移植部位の血流の関与が示唆された。
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