2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間葉細胞含有血管茎いりチューブを用いた末梢神経再生
Project/Area Number |
17591565
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柿木 良介 京都大学, 医学研究科, 助手 (20314198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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Keywords | 骨髄間質細胞 / 血管柄含有チューブ / 末梢神経再生 |
Research Abstract |
【目的】骨髄間質細胞(BMC)は神経系細胞にも分化する。BMCを血流のある血管茎を入れた神経架橋チューブ内に加えることで、移植したBMCがチューブ内の豊富な血流と神経再生環境によりシュワン細胞に分化誘導され、神経再生が促進されるのではないかと考えた。 【方法】:雄Lewisラットの腓腹動静脈を血管茎とする血管含有シリコンチューブを作成し、坐骨神経の15mm欠損を架橋した。雄Lewisラットより採取した2×107個のBMCをチューブ内に移植した(M群)。チューブ内にBMCのかわりに雄Lewisラットから採取した線維芽細胞1 ̄2×107個を移植した群(F群)と細胞を移植していない群(E群)を作成した。それぞれの群につき術後3ヶ月、6ケ月の時点で坐骨神経再生を電気生理学的、組織学的に検討を行った。また、雌Lewisラットの坐骨神経欠損にも、同様の手技をおこない、チューブ内の再生神経内にドナー由来の雄細胞が存在するか調べるためSry(sex-determining region of the Y-chromsome)に特異的なPCR法を行った。 【結果】術後3ヶ月ではM群において足部内転筋にM波が導出されたが、F群とE群ではされなかった。術後6ヶ月では足部内転筋の活動電位はE群、F群と比べて有意にM群で高く、またE群はF群と比べて有意に高かった。術後3ヶ月、6ヶ月の有髄神経軸索数、軸索面積はM群が他の2群に比較して有意に大きく、E群はF群より有意に大きかった。M群の再生神経内での移植BMCの存在はPCR法により確認された。 【今後の発展】血管柄含有チューブ内で移植したBMCは生存し、再生神経内に取り込まれていることが判明した。今後in situ hybridization法と免疫染色で移植したBMCがSchwann cell-like cellとして再生神経内に存在することを証明する。
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