2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間葉細胞含有血管茎いりチューブを用いた末梢神経再生
Project/Area Number |
17591565
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柿木 良介 京都大学, 医学研究科, 助教授 (20314198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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Keywords | 血管柄 / 骨髄間葉系細胞 / 末梢神経再生 / チュービング / 人工神経 |
Research Abstract |
目的:骨髄間葉系細胞(BMC)は骨、軟骨細胞、脂肪、筋肉、神経系細胞など、さまざまな細胞に分化する能力のある細胞である。我々はチューブ内に移植したBMCが、シュワン細胞に分化し末梢神経再生を促進させるのではないかという仮説をたて以下の実験を行った。 方法:ラット坐骨神経の神経断端をシリコンチューブで架橋することにより、15mmの神経欠損チューブを作成した。チューブ内の虚血状態を改善する目的で、腓腹動静脈茎をシリコンチューブ内に挿入した(血管含有チューブ)。チューブ内の神経欠損部に同系ラットより採取した1X107個のBMCを移植するモデルを作成した。チューブ内に動静脈茎のみを挿入し、BMCを移植しなかったコントロール群と移植後12週、24週の神経再生を電気生理学的、組織形態学的に比較検討した。 結果:12週、24週ともにBMC移植群の神経再生は、総有髄神経軸索数、有髄神経軸索直径、足部内転筋でのM波の振幅、神経伝導速度のどのパラメーターでも、コントロール群に比較して有意に良好であった。また雄ラットより採取したBMCを雌ラットに作製した血管含有チューブ内に移植し、移植後12週後にチューブ内に再生した神経よりDNAを採取し、Sry(Sex-determining region of Y-chromosome)とb-actinに特異的なPCR法にて再生神経内の雄ラット由来細胞を定量したところ、再生神経内の約29%の細胞がBMC由来であることがわかった。またPKH-26にてラベルしておいたBMCを血管含有チューブ内に移植してできた再生神経では、抗S-100,抗GFAP陽性細胞のなかにPKH陽性のものが含まれており、移植したBMCはチューブ内でシュワン細胞様細胞に分化したことが示唆された。 結論:血管含有チューブ内に移植したBMCはシュワン細胞様の細胞に分化し、末梢神経再生を促進した。
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