2006 Fiscal Year Annual Research Report
TL1A遺伝子ノックアウトマウス作成による関節リウマチ発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
17591572
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三浦 靖史 神戸大学, 医学部, 助教授 (60346244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柱本 照 神戸大学, 医学部, 客員助教授 (80346246)
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Keywords | 関節リウマチ |
Research Abstract |
TL1Aノックアウトマウスを用いたモデル関節炎による、TL1Aが関節炎に及ぼす作用の解析の前段階として、TL1Aの特異的レセプターであるDR3と、競合してTL1Aに結合して、TL1A-DR3のシグナル伝達を抑制するデコイレセプターDcR3の、関節リウマチ(RA)の炎症の主座をなす関節滑膜細胞における発現と、DcR3がアポトーシスに及ぼす影響について、変形性関節症(OA)滑膜細胞との比較検討を行い、以下の知見を得た。(1)RA、OAともに滑膜線維芽細胞で、DcR3が発現していた。(2)RAとOAとの間に、DcR3 mRNA発現量の有意差は認めなかった。(3)RA,OAともに、リコンビナントDcR3タンパク質前処理により、滑膜線維芽細胞に対するFas誘導アポトーシスは、DcR3の用量依存性に抑制された。(4)RA,OAともに、siRNAを用いたDcR3発現抑制により、Fas誘導アポトーシスが亢進された。(5)TNFα刺激により、RAにおいては用量依存性に滑膜線維芽細胞によるDcR3発現量が著明に増加したが、OAにおいては不変であった。(6)TNFα刺激下でのアポトーシス抵抗性は、RAにおいてのみ著明に増強しており、TNFα刺激によるDcR3の発現増強と合わせて考えると、TL1Aに対するデコイレセプターDcR3は、TNFα刺激下におけるアポトーシス抑制へ関与していることが強く示唆された。
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Research Products
(1 results)