2005 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチに合併する骨粗鬆症の予防・治療法の確立
Project/Area Number |
17591573
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
豊島 良太 鳥取大学, 医学部, 教授 (50144671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 徹 鳥取大学, 医学部, 講師 (60252871)
榎田 誠 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (90372680)
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Keywords | Rheumatoid arthritis / Osteoporosis / Prophylaxis / Treatment / Collagen induced arthritis / Bisphosphonate / Physical exercise |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)に合併する骨粗鬆症は易骨折性や腰背部痛をもたらすため、既存のADL障害を増悪する重篤な合併症であるため、関節炎の治療と平行して薬物療法や運動療法による予防や治療を行う必要がある。これまで、RAの動物モデルであるコラーゲン誘発性関節炎ラット(collagen induced arthritis, CIA)を用いて、薬物療法(エストロゲン、第三世代のビスフォスフォネートであるミノドロン酸、ヒト副甲状腺ホルモン)と運動療法の効果を検討してきた。その結果、これらの治療法の骨量や骨微細構造、関節炎に及ぼす効果は判明したが、その蛋白や遺伝子レベルでの作用機序はなお不明である。 本年度はCIAラットにおけるミノドロネートの骨吸収抑制機序を組織学的・免疫組織化学的手法を用いて検討した。その結果、ミノドロネート未投与のCIAラットでは骨表層細胞とパンヌス内の細胞にreceptor activator of NFκB ligand(RANKL)とreceptor activator of NFκB(RANK)の強い発現を認めたのに対して、ミノドロネート投与ラットでは用量依存性にRANKLとRANKの発現は抑制され、酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ陽性細胞数が減少していることが判明した。この免疫組織学的所見はウエスタンブロット法によっても確認された。また、破骨細胞のアポトーシスはミノドロネートの投与の有無に関わらず、いずれの群にも認められなかった。これらの結果より、ミノドロネートはアポトーシス誘導ではなく、RANKL-RANK系の抑制によって破骨細胞の分化・活性化を阻害し、骨吸収抑制を発現していることが明らかとなった。
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