2007 Fiscal Year Annual Research Report
bFGF-DDSを用いた末梢神経欠損部の人工神経による架橋実験
Project/Area Number |
17591587
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高松 聖仁 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 助教 (30295688)
|
Keywords | 末梢神経 / 人工神経 / 再生医療 / Tissue engineering / 神経再生 / 生体吸収性材料 / ドラッグデリバリーシステム / 成長因子 |
Research Abstract |
【目的および方法】昨年度に検討を加えた人工神経そのものを担体としたbFGF-DDSのみならず、すでにbFGF-DDSとして十分な効果が認められているゼラチンを用いたbFGF-DDSを人工神経に応用し、さらなる末梢神経の再生が促進されるかどうか、そしてまた神経再生に関与するシュワン細胞と血管新生について再生神経とともに詳細に検討を加えた。Wistar系ラットの坐骨神経に12mmの神経欠損部を作成し、これを二種類の人工神経で架橋した。人工神経は、従来の人工神経と内腔をゼラチンで充填したものを用意し、それらを100μg/mlのbFGF溶液に約1時間浸潤させた。術後8週目に神経の再生と、シュワン細胞、血管新生について評価した。 【結果】人工神経の中央部における横断切片において、ゼラチン充填人工神経の方が人工神経単独の場合に比べてやや有意に多い神経再生を認めた。また人工神経の縦断切片において、bFGF-DDSは神経再生のみならず、有意なシュワン細胞の増殖および血管新生を誘導した。最もbFGF-DDSの影響を受けて誘導されたのは血管新生であったが、再生神経は新生した血管よりもシュワン細胞に誘導されていた。 【結論】bFGF-DDSは培養細胞などを加えることなく、生体内において神経再生に必要なシュワン細胞を有意に増殖させ、神経再生に有利と考えられる血管の新生も誘導した。 これらの結果はbFGFを用いたDDSが、より臨床応用に近い生体内再生医療を実現する可能性を示唆したものと考えられた。
|
Research Products
(2 results)