2007 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療技術を応用した殺細胞処理骨の再活性化に関する実験的研究
Project/Area Number |
17591591
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
田中 康仁 Nara Medical University, 医学部, 講師 (30316070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大串 始 独立行政法人産業技術合研究所, セルエンジニアリング研究部門, グループ長 (80213669)
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Keywords | autologous bone graft / recycling bone / irradiation / irradiated bone / mesenchymal cell / osteogenesis / tissue engineering / regenerative medicine |
Research Abstract |
骨腫瘍の治療で臨床応用されている再生自家骨(殺細胞処理骨)は殺細胞処理により生物活性の非常に低い状態に陥っている。そこで殺細胞処理骨をscaffoldとして,再生医療技術を用いて骨形成能を付与することをFischer 344ratによる動物実験モデルを用いて研究し、これまでに培養骨髄由来間葉系細胞を搭載させることで骨形成能を失った殺細胞処理骨に骨形成能を付加できることをアルカリフォスファターゼ(ALP)活性測定、骨基質蛋白オステオカルシンの骨形成関連遺伝子の測定、組織学的検討により証明した。また、骨形成に関与する骨芽細胞が培養により得られたdonor cellである骨髄由来間葉系細胞であることの証明を性関連遺伝子を用いた分子生物学的探求により行った。その結果、少なくとも移植後4週の時点での新生骨の形成には培養骨髄由来間葉系細胞が携わっていることが確認された。 一般的な骨軟骨移植として、欧米では保存骨移植が臨床応用されているが、本手法の臨床適応を拡大するために、現在、生物活性の失われた同種骨をscaffoldとして、同モデルを用いて更なる研究を行っている。本実験モデルでは、scaffoldとなる骨にはFischer 344ratとは異なるratの骨を用い、donor cellおよびrecipient sideには従来通りのFischer 344ratを用いている。その結果、現在、検体数が少ないものの、殺細胞処理を行った同種骨をscaffoldとしても、培養骨髄由来間葉系細胞を搭載させることで、新生骨が形成されることが生化学的にも、組織学的にも、確認できている。今後、ALP活性測定、オステオカルシン遺伝子測定、組織学的解析を継続し、また本モデルでの新生骨の由来についても証明を試みる。また、遺伝子を導入しての研究モデルについても、検討中である。
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Research Products
(4 results)