2008 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療技術を応用した殺細胞処理骨の再活性化に関する実験的研究
Project/Area Number |
17591591
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
田中 康仁 Nara Medical University, 医学部, 講師 (30316070)
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Keywords | autologous bone graft / allogenic bone graft / recycling bone / irradiated bone / mesenchymal cell / osteogenesis / tissue engineering / regenerative medicine |
Research Abstract |
殺細胞処理により生物活性の低下した再生自家骨(殺細胞処理自家骨)に、再生医療技術により骨髄由来間葉系細胞を注入・搭載させることで骨形成能を付加できることがこれまでの研究により証明された。ところで、骨移植方法として欧米では保存同種骨移植が頻繁に臨床応用されているが、本邦では立ち後れていることが否めない。本邦で同種骨移植が進まない一因として、感染に対する臨床の現場に於ける抵抗感以外に、やはり、移植骨の生物活性の低さが挙げられる。そこで、将来的な臨床適応の拡大を考慮するべく、同種骨移植に対して本手法を応用できないかを検討した。 実験方法としては、再生自家骨(殺細胞自家骨)の結果と比較できるよう、同じ実験系を用いた。scaffoldとなる移植骨には同種骨モデルとしてACI ratの大腿骨を用い、殺細胞処理には放射線照射を行った。培養によりFischer344 ratの骨髄由来間葉系細胞を獲得し、ACI ratから作成された移植骨に注入・搭載し、Fischer344rat皮下に移植、アルカリフォスファターゼ(ALP)活性測定、骨基質蛋白オステオカルシン遺伝子の測定、組織学的検討を行った。その結果、移植骨がACI ratであっても、細胞を搭載させたものでは移植後2,4週後のALP活性及びオステオカルシン遺伝子発現を認め、組織学的にも新生骨の形成をscaffold内に認めた。また性染色体遺伝子を用いた分子生物学的探求により、その新生骨の形成には培養骨髄由来間葉系細胞が携わっていることも確認された。 しかしながら、本実験モデル(殺細胞処理同種骨モデル)における骨形成は、組織学的見知より殺細胞処理自家骨と比較すると劣る印象があり、臨床に沿った同種骨実験モデル作成、移植免疫、組織形成因子添加の問題等を今後、検討していく必要があると考えられた。
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Research Products
(3 results)