2006 Fiscal Year Annual Research Report
椎間板変性抑制による新たな腰痛治療法開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17591595
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Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
千葉 一裕 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80179952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高石 官成 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60236180)
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Keywords | 細胞・組織 / 椎間板 / 生体分子 / 退行変性 / 腰痛 |
Research Abstract |
椎間板変性にいたる分子メカニズムは詳細に解明されていなく、無血管性の環境で代謝をおこなう椎間板細胞における生存シグナルの伝達系に関する報告はこれまでない。われわれは、ラット椎間板を用いてマイクロアレイをおこない、VEGFが髄核に高発現していることを見い出した。Real-time PCRでは、ラットおよびヒトの髄核細胞において、すべてのsplice variantを含むVEGF遺伝子が発現していた。そこで、細胞内領域を有するVEGF受容体の遺伝子発現を定量すると、Flk-1に比してFlt-1の発現が有意に上昇しており、その発現パターンはFlk-1 LacZマウス、Flt-1 LacZマウスにおいても再現性が確認された。次にVEGFの機能抑制効果を持つFlt-1-Fcをラット髄核細胞の培養系に添加し、annexin Vにてアポトーシスへの影響を検討すると、VEGFシグナルを抑制することによりアポトーシスが誘導された。生体での加齢性変化についてMRI画像で評価すると、ラット椎間板は加齢とともに髄核におけるT2強調画像の信号強度が低下するとともに、VEGFの発現もmRNAレベルで漸次減少した。以上の結果より、VEGFは髄核細胞に対して、その受容体であるFlt-1を介してautocrineまたはparacrineな抗アポトーシス作用を有すると考えられた。また加齢とともにその発現が減少することより、VEGFが椎間板変性の抑制に寄与する可能性が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Association study of COL9A2 with jumbar disc disease in the Japanese population.2006
Author(s)
Seki S, Kawaguchi Y, Mori M, Mio F, Chiba K, Mikami Y, Tsunoda T, Kubo T, Toyama Y, Kimura T, Ikegawa S.
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Journal Title
J Hum Genet 51(12)
Pages: 1063-7
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