2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨肉腫の肺転移メカニズムの解析および転移予防法の開発
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17591605
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
杉浦 英志 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 研究員 (50303615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 健志 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 研究員 (10416167)
田口 修 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 室長 (00142167)
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Keywords | 骨肉腫 / 血管新生抑制 / LM8 / angiotensin type1 / Candesartan / 腫瘍増殖 / 転移抑制 / VEGF |
Research Abstract |
骨肉腫において血管新生抑制による腫瘍の増殖・転移抑制を試みた研究はほとんどされていない。今回、他の癌種にて抗血管新生効果が報告されているAngiotensin type1 receptor antagonist (Candesartan)がマウス骨肉腫細胞(LM8)に与える影響について、腫瘍の増殖・転移抑制の有無を中心に検討を行ったので報告する。まず、LM8にangiotensin type1 receprtorおよびVEGFが発現しているかを免疫染色およびFACSを用いて調べたが、いずれの方法においても有意な発現は認められなかった。次にin vitroにてCandesartan入りの培地と通常の培地でLM8の増殖能に差がでるかを検討したが、これも両者間において有意な差は認められなかった。これらの結果から、CandesartanにはLM8に直接的に作用し抗腫瘍効果を発揮する可能性は低いと考えられた。 次にin vivoの実験として、LM8をマウス皮下に注射後、28日間連日Candesartanを腹腔内投与した群(n=13)とコントロール群(n=13)を用意し、皮下腫瘍のサイズと肺転移巣の数の比較を行った。その結果、腫瘍サイズではCandesartan投与群で平均0.55g、コントロール群で平均1.68gでありt検定にてp=0.05と有意差を認めた。また肺転移巣の数においてもCandesartan投与群で平均8.0個、コントロール群で平均32.3個であり、t検定にてCandesartan投与群で肺転移数が有意に減少していた(p=0.001)。これらの結果から、Angiotensin type1 receptor antagonistのマウス骨肉腫細胞に対する腫瘍増殖・転移抑制効果はあると考えられたが、どのような機序に基づくかは今後の検討課題であり引き続き研究を進めて行きたいと考える。
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Research Products
(6 results)