2005 Fiscal Year Annual Research Report
術後心臓合併症発現に及ぼす反射性循環制御機構の役割:性差/性周期によるアプローチ
Project/Area Number |
17591610
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 誠 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50236634)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 哲 秋田大学, 医学部, 助手 (00312702)
西川 俊昭 秋田大学, 医学部, 教授 (50156048)
|
Keywords | 圧受容体反射 / 迷走神経 / 自律神経 / 心拍変動 |
Research Abstract |
1.心臓-迷走神経反射に及ぼす性差/性周期と女性ホルモンの影響に関する研究 (1)性周期が一定で基礎体温が2相性を示す健康成人女性14人を対象に、Neck-Chamber法を用いて卵胞初期、排卵前期、黄体中期に心臓-迷走神経反射の感受性を調べ、同年代の男性と比較した。 (2)その結果、卵胞初期と黄体中期における感受性は男性より有意に低く、一方、排卵直前における感受性は男性と同等の値を示した。 (3)女性において、血中エストラダイオール濃度と心臓-迷走神経反射の感受性の関係は正の相関を示した(R=0.68) (4)以上の結果より、血中エストラダイオールは健康女性において迷走神経反応を修飾していると考えられる。 2.全身麻酔中及び覚醒後における心臓-迷走神経反射に及ぼす性差の研究 (1)性周期が一定で基礎体温が2相性を示す健康成人女性15人を、性周期に関わらず無作為に抽出し、Neck-Chamber法を用いた心臓-迷走神経反射の感受性と心拍変動を、覚醒時及びセボフルレン麻酔中に測定し、同年代の男性と比較した。 (2)その結果、心臓-迷走神経反射の感受性は覚醒時及びセボフルレン麻酔中いずれも男性の方が女性よりも有意に高いことが分かった。 (3)心拍変動の高周波領域やSDNN,pNN50,RMSSDいずれも、覚醒時及びセボフルレン麻酔中は男性の方が女性よりも有意に高かった。 (4)心臓-迷走神経反射の回復には、男女とも約2時間を要し、性差は認められなかった。 (5)本研究の結果、性周期に関わらず無作為に抽出した女性と男性を比較する場合、全身麻酔の有無に関わらず男性は女性よりも迷走神経機能が高いことを示唆している。
|