2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血再灌流後の白血球接着・血管外遊走に及ぼす吸入麻酔薬の効果に関する研究
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17591611
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮部 雅幸 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (60145589)
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Keywords | 脳虚血 / 吸入麻酔薬 / 白血球 |
Research Abstract |
白血球の外傷、臓器移植、虚血などに伴う脳障害への関与が報告されている。一方吸入麻酔薬セボフルランは脳外科領域の麻酔にも用いられているが、腸間膜静脈においてセボフルランが白血球のローリング、接着を促進することが報告されている。もし脳循環でもセボフルランが白血球のローリング、接着を促進すると、脳外科手術の麻酔にセボフルランは不利と言える。一方セボフルランの神経保護作用が報告されている。脳ではセボフルランによる白血球のローリング・接着促進作用が起こさないのか、あるいは白血球を介さない作用機序によって脳保護作用が発揮されるのか分かっていない。そこで今回は生体顕微鏡を使って、白血球の接着、血管外遊走を観察し、これらに及ぼすセボフルランの影響を調べる目的で本研究を行った。 脳虚血再潅流後の脳軟膜静脈への白血球の接着・血管外遊走に及ぼすセボフルランの影響 実験方法:家兎の頭頂部を開頭し、硬膜、くも膜を取り除き、カバーグラスを装着しcranial windowを作る。直径50μm前後の軟膜静脈を、生体顕微鏡を用いて観察し、カメラシステムで撮影しビデオレコーダに記録した。蛍光物質(rhodamine 6G)で可視化した白血球のローリング、接着、血管外遊走数を測定した。脳虚血は両総頸動脈閉塞と脱血で平均血圧を50mmHgに低下により行い、再潅流は総頸動脈閉塞の解除と返血により行った。 プロトコール:実験の準備ができたとこれで、麻酔をサイアミラール2mg/kg/hr(C群)、あるいはセボフルラン2.0%(S群)に変更した。血圧、血液ガス分析、軟膜静脈の記録を行った後、動物の脳虚血を1時間施行した。1時間後再潅流し測定項目を1時間毎、4時間まで測定した。実験は現在も継続中である。
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