2005 Fiscal Year Annual Research Report
徐放化栄養因子および細胞移植を用いた神経傷害後の再生促進法と慢性痛治療法の開発
Project/Area Number |
17591614
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齋藤 繁 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40251110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所・生体組織工学研究部門, 教授 (50211371)
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Keywords | bFGF / ゼラチンハイドロゲル / 成長円錐 / アクチン / 局所麻酔薬 |
Research Abstract |
再生神経細胞突起の細胞骨格と情報伝達機構に関する細胞生物学的研究では、細胞の成長過程、細胞間認識をリアルタイムで顕微鏡下に観察する研究を開始した。胎生8日目chick DRGを採取し、BPE添加F12培地で20時間培養、局所麻酔薬による濃度依存性の神経突起伸張阻害、暴露時間依存性の成長円錐崩壊を定量的に解析した。これに、bFGFをゼラチンハイドロゲルで徐放化したものを添加し、神経突起や成長円錐の構造や運動生が維持されるか検討する予定である。これまでの結果では局所麻酔薬が低濃度域から神経突起の伸張速度を低下させ、成長円錐部のアクチン含量も減少させることが確認できた。 胎生10日目chick sympathetic chainとDRG、網膜神経節細胞層を採取し、麻酔薬プロポフォールが濃度依存性に神経突起および成長円錐部の形態を変化させることを確認した。以前、局所麻酔薬やコリンエステラーゼ阻害薬を用いて検討した結果と同様に、同じ神経系細胞でも、由来組織別に感受性が異なることが証明された。今後、気化器を組み込んだ培養装置を用いて、揮発性麻酔薬の再生神経突起への影響を観察する予定である。 「徐放化栄養因子並びに幹細胞の神経再生に及ぼす影響に関する研究」では、神経傷害後の回復に及ぼす各種栄養因子、幹細胞の影響を臨床的に検討する前段階として、既に臨床試験の承認が得られている、末梢血管新生効果を検討する臨床研究で、ゼラチンハイドロゲルにより徐放化したbFGFヒト体内注入後の徐放効率を検討している。これまで、2症例において血中濃度変化と臨床症状変化を並行して評価し、徐放過程を追跡した。
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