2005 Fiscal Year Annual Research Report
虚血・低酸素により誘導される新生期の脳障害への小胞体ストレス反応の関与の検討
Project/Area Number |
17591615
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
青野 光夫 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40292693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青江 知彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90311612)
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Keywords | 脳・神経 / 虚血・低酸素 / 小胞体ストレス |
Research Abstract |
新生期に生じる虚血・低酸素が引き起こす脳障害への、小胞体ストレス反応の関与を検討することが主目的であるが、本年度は初代細胞培養系(神経・グリア共培養)による低酸素・無糖負荷モデルを用いて、虚血性脳細胞死と小胞体ストレス反応の関係を検討した。本培養系ではツニカマイシン(糖鎖修飾阻害剤)処置により、核の凝集・断片化を伴うアポトーシス様の細胞死が起こり、同時に小胞体分子シャペロンの発現が免疫細胞染色により認められた。低酸素・無糟負荷(1%O_2・4時間)では同様の所見が認められた。長時間の低酸素・無糖負荷(1%O_2・12時間)および低酸素・無糖・2-deoxy-D-glucose負荷(1%O_2・4時間・2-deoxy-D-glucose25mM)では、小胞体分子シャペロンの発現を示すが、核染色・死細胞染色により判断した細胞死の形態は、アポトーシスとネクローシスの混在を呈していた。細胞に対するストレスの程度(低酸素暴露時間等)と細胞死および小胞体分子シャペロンの発現程度を定量化することが今後の課題となる。現時点では、遺伝子変異マウスを用いた培養実験は施行されていない。今後の研究では、細胞レベルでは虚血性神経細胞死の病態における、小胞体ストレス反応と低体温の影響を明らかにするとともに、個体レベル(新生ラット虚血・低酸素モデル、成熟ラット脳虚血モデル)の実験を組み入れていくことを理想としている。
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