2005 Fiscal Year Annual Research Report
先天性無痛無汗症における感覚認識機構の解明-疾患動物モデルと脳磁図を用いた検討-
Project/Area Number |
17591617
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨岡 俊也 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10332610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 信幸 東京歯科大学, 附属病院, 助手 (20408313)
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Keywords | 先天性無痛無汗症 / 脳磁図 / 体性感覚刺激 |
Research Abstract |
今年度の研究においては、先天性無痛無汗症患者の中枢神経系における感覚認識機構を、臨床的ならびに基礎的研究より解明することを目的とした。 1,臨床的検討 臨床的研究では、まず健常人を用いてMRI撮影後に脳磁図検査を行い、電気刺激による体性感覚刺激時に脳内における反応が良好に測定できることを確認した。次に本疾患患者を用いてMRI撮影後に体性感覚刺激時の、脳内における痛覚(感覚)認識機構を調べた。本年度の本疾患患者の被験者は5名であり、良好な測定結果を得た。現在、その解析中であるが、本疾患においては痛覚刺激に限らず体性感覚刺激時の脳における感知も減弱されている可能性が現在のところ示唆されている。特に第一次体性感覚野(SI)における反応が減弱している症例がみられ、その意義に関して検討中である。次年度は同一被験者らに対して、レーザーを改良した選択的なC線維選択的刺激装置を使用して、再度脳磁図検査を行う予定である。 また近年、臨床において汎用されている電気刺激を用いた選択的な神経機能評価装置「Neurometer」を併せて被検者に対して検査をおこない、本疾患患者においては末梢神経機能が障害されていることを確認した。 2,基礎的検討 ラットを用いた基礎的な検討を行った。実験モデル動物としての新生児期カプサイシン処置ラットの有用性に関しては未だ確立するに至っていないが、疼痛刺激時の免疫組織化学的手法を用いたFOS蛋白の発現に関しては脊髄において他の実験系に関してすでに確立できており、次年度以降の実験モデル動物確立時に使用予定である。
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