2006 Fiscal Year Annual Research Report
先天性無痛無汗症における感覚認識機構の解明-疾患動物モデルと脳磁図を用いた検討-
Project/Area Number |
17591617
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨岡 俊也 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10332610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 信幸 東京歯科大学, 附属病院, 助手 (20408313)
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Keywords | 先天性無痛無汗症 / 脳磁図 / 体性感覚刺激 |
Research Abstract |
先天性無痛無汗症における感覚認識機構を解明するために、脳磁図を中心とした研究を行った。 (1)本疾患患者を対象として、体性感覚誘発脳磁場(SEF)を評価した。刺激は正中神経電気刺激による体性感覚誘発脳磁場(SEF)とし、刺激条件は、刺激強度2.2-4.8mA、刺激持続時間0.2msec、刺激間隔1000msecを用い、刺激加算回数100回を平均した。結果として、前腕部皮膚電気刺激によって、刺激対側に20、40、70msecのピーク潜時が記録された。潜時20msにおけるSEFから推測されるEquivalent Current Dipoles(ECDs)は、全ての被験者の刺激対側の一次体性感覚領野(SI)に観察された。これは健常者のデータとほぼ一致する結果であった。ECDsにおいても刺激対側のSIに認められ、健常者のものと同様であった。これらの結果より、本疾患の知覚認識機構の中でもAβ繊維を介した機能に関しては健常者のものと同様であることが示唆された。 (2)本疾患患者への非侵襲的な末梢神経線維の選択的な刺激方法を確立する目的で、末梢神経の選択的な刺激装置として広く受け入れられているNeurometer^【○!R】、QST^【○!R】を本疾患患者に施行した。結果として、QST^【○!R】は本疾患患者の末梢神経機能評価に有用であるが、Neurometer^【○!R】は無髄線維の評価には有用であるものの、有髄線維の評価には慎重であるべきことがわかった。 (3)本疾患患者の動物モデルとして、各種の動物モデルの確立を試みた。その過程において、痛みの動物実験として広く用いられているホルマリン・テストが、その使用濃度によって、異なった神経線維を刺激している可能性を見出した。 以上が、今回の交付金による実行計画の成果である。
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[Journal Article] レミフェンタニル : 最近の知見2007
Author(s)
西山友貴, 佐野恵理香, 藤田香織, 室屋充明, 武田憲治, 坊垣昌彦, 北村享之, 金 信秀, 斉藤勇一郎, 伊藤博隆, 冨岡俊也, 張 京浩, 関山裕詩, 小川 真, 玉井久義, 折井 亮, 山田芳嗣
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Journal Title
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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