2005 Fiscal Year Annual Research Report
RAGE:肺傷害の病態における役割と肺傷害マーカーとしての臨床応用に関する検討
Project/Area Number |
17591618
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
内田 篤治郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (40262183)
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Keywords | 急性肺傷害 / 急性呼吸窮迫症候群 / 肺胞上皮 / RAGE / 重症度マーカー |
Research Abstract |
RAGE(Receptor for Advanced Glycation Endproducts)は、肺では、I型肺胞上皮において特異的に発現している免疫グロブリン・スーパーファミリーのタンパクである。本研究では、RAGEが、肺傷害によって気管支肺胞洗浄液(BALF)中や血中に検出され、肺胞上皮におよんだ傷害の重症度のマーカーとなりうるか、ラット誤嚥性肺炎モデルにより検討した。 <方法>SDラット(体重300±50g)を麻酔後、筋弛緩下に人工呼吸(一回換気量7ml/kg、F_1O_2=1.0、PEEP=5cmH_2O)し、0.1N HClを1ml/kg,2ml/kg,3ml/kg,4ml/kg (n=各3)、または0.025N,0.05N,0.075N,0.1N HClが生理食塩水を4ml/kg(n=各3)気道内投与して、2時間後に血清およびBALFを採取した。各群のサンプルについて、抗RAGE抗体によるウェスタンブロットを行い、肺傷害の程度とRAGE発現量の関係を調べた。 <結果>BALF中のRAGEは人工換気のみ、生理食塩水投与群を含む全てのBALFサンプル中で検出され、RAGEの発現量はHClの投与容量や投与濃度に依存して増加した。血清中のRAGEは0.1N HCl投与群でのみ検出され、投与容量に依存していた。 <結論>ラット誤嚥性肺炎モデルにおいて、BALF中および血清中のRAGEは肺傷害の重症度を反映し、肺傷害における重症度マーカーとなりうると考えられた。
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