2006 Fiscal Year Annual Research Report
局所麻酔薬の細胞体と軸索への作用様式の違いに関する研究
Project/Area Number |
17591640
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
笠羽 敏治 宮崎大学, 医学部, 助教授 (80145599)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼塚 信 宮崎大学, 医学部, 助手 (20264393)
柏田 政利 宮崎大学, 医学部, 助手 (20336316)
|
Keywords | 水棲かたつむり / 中枢神経節 / 局所麻酔薬 / リドカイン / MED64 / 群発発射 |
Research Abstract |
本年度の実験計画に基づき、局所麻酔薬の作用様式を明らかにすることを目的とした。中枢神経節を水棲かたっむり用生理食塩液で満たしたマルチ電極ディッシュに取り出した。生理食塩液の組成は,NaCl 51.3mM ; KC11.7mM ; CaCl 24.1mM ; MgCl 21.5mM ; Hepes 10mM, pH7.9である。神経節内の神経細胞の電位を記録するため、多点記録のできるMED64システムを用いた。水棲かたっむりの神経節を軸索を数mm温存した標本を取り出し、表面の結合組織を除去し、MEDプローブにのせ活動電位を記録した。電極上の神経節における細胞体および軸索の走行部位から活動電位が記録できた。リドカイン濃度を1-1000μg・ml^<-1>まで増加させ、リドカイン濃度と細胞外電位の発射様式および発射頻度を比較した。それぞれの細胞体の活動電位とともに、濃度の増加で群発発射が記録できた。群発発射は電極上の細胞体や軸索の部位で同期し、リドカインの濃度が18±3~105±69μg・ml^<-1>のときと、670±254μg・ml^<-1>以上の2カ所で生じることが分かった。このことから、リドカイン投与初期(1相)、群発発射が出現する時期(2相)、その後の群発発射が停止する時期(3相)、再び群発発射が頻発する時期(4相)に分類できた。活動電位の発射数は、コントロールで1.8±3・se^<-1>であったが、リドカイン投与により、1相で83±33%に、2相で91±28%に、3相で77±29%に、4相で50±41%になり、4相で有意に低下した。リドカインは、低濃度で発射の増加や低下を示しながら高濃度では抑制されるが、群発発射は低濃度と高濃度の2カ所で発現し、その機序は異なると考えられた。
|