2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内潅流パッチクランプ法を用いた吸入麻酔薬の作用機序の解明
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17591641
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
鬼塚 信 宮崎大学, 医学部, 助手 (20264393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠羽 敏治 宮崎大学, 医学部, 助教授 (80145599)
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Keywords | セボフルラン / ナトリウム電流 / パッチクランプ / 細胞内灌流 |
Research Abstract |
目的は、セボフルランの麻酔作用機序を解明することである。水棲カタツムリ(Lymnaea stagnalis)の神経細胞を用いて、セボフルランを細胞外および細胞内へ灌流し、電位依存性ナトリウム電流に対する影響を電気生理学的に調べた。 方法:Lymnaea stagnalisの中枢神経節をトリプシン処理し、中枢神経節細胞を摘出して培養した。ホールセル・パッチクランプ法を用いて、電位依存性ナトリウム電流を測定した。セボフルランを細胞外およびパッチクランプ用ピペットを用いて細胞内へ灌流した。細胞内灌流は蛍光色素(pyranine)を用いて蛍光顕微鏡下に確認した。 結果:セボフルランを細胞外へ灌流した場合は、内向き電位依存性ナトリウム電流およびコンダクタンスは、濃度依存性に抑制された(電流;コントロール:-1.7±0.3nA、セボフルラン1mM:-1.3±0.3nA、セボフルラン5mM:-0.7±0.2nA)、(コンダクタンス;コントロール:3.3±0.1μS、セボフルラン1mM:2.8±0.2μS、セボフルラン5mM:1.3±0.3μS)。さらに、不活化曲線を左方移動した(V50;コントロール:-54.5mV、セボフルラン1mM:-61.5mV、セボフルラン5mM:-73.4mV)。細胞内に灌流した場合は、内向き電位依存性ナトリウム電流は、抑制されなかった(コントロール:-1.2±0.2nA,セボフルラン1mM:-1.2±0.2nA,セボフルラン5mM:-1.1±0.3nA)。 結論:セボフルランの麻酔作用のひとつとして、細胞外から栓(プラグ)をして電位依存性ナトリウム電流を抑制する機序が明らかになった。 以上の結果は第53回日本麻酔科学会に採択された。
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