2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591647
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
菊地 龍明 横浜市立大学, 附属病院, 準教授 (70285138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊奈川 岳 横浜市立大学, 医学部, 助手 (60336584)
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Keywords | 麻酔 / 神経伝達物質 / 日内変動 / アセチルコリン / イソフルラン / 海馬 |
Research Abstract |
本研究では、吸入麻酔薬投与によりラット海馬アセチルコリン(ACh)遊離の日内変動が受ける変化をマイクロダイアリス法を用いて測定した。また、麻酔薬の投与時期により日内変動変化の程度に差が生じるかを比較検討した。 方法 12時間の明暗サイクル環境下で8週齢の雄性Wistar-Imamichiラットを用いてマイクロダイアリシス法による実験を行なった。実験1週間前に海馬へのガイドカニューレ挿入手術を行った。実験4時間前に透析用プローブを挿入し、人工脳脊髄液の灌流を開始し、13時から20分毎のサンプリングを60時間行った(計180サンプル)。サンプル中のAChはHPLC-ECDにて分析した。麻酔薬の投与:「「明期投与群」では実験2日目の11時から4時間イソフルラン1.4%をケージ内に投与した。「暗期投与群」では実験1日目の23時より投与した。麻酔薬を投与しない群を「コントロール群」とした。 結果 コントロール群においては暗期のAChは明期より170%高値を示す日内変動パターンを示した。明期にイソフルランを投与した群では投与中のAChは基礎値の30%に低下したが、その後は正常の日内変動パターンを示した。 暗期に投与した群では投与中のAChが低下しただけでなく、麻酔後の明期のAChの上昇と暗期のAChの低下が24時間に渡って認められた。 考察 明期(休息期)よりも暗期(活動期)にイソフルランを投与した方がACh日内変動に与える影響が大きいことが分かった。麻酔と睡眠は一部共通するメカニズムを有すると考えられ、本来の覚醒時間帯に麻酔を行うと生体の日内リズムに乱れを生じる可能性が示唆された。
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