2005 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬の作用発現調節機構-脳内薬物動態と麻酔効果の関連の解明
Project/Area Number |
17591648
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小田 裕 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70214145)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱岡 直也 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80347492)
浅田 章 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00047367)
|
Keywords | 局所麻酔薬 / リドカイン / 中枢神経毒性 / 蛋白結合 / 薬物動態 / 非コンパートメント解析 / 側座核 / エピネフィリン |
Research Abstract |
平成17年度の研究計画、「末梢静脈内と脳内の濃度の関係の検討:局所麻酔薬の中枢神経作用の検討」について、下記の成果が得られた。 Sprague-Dawley系雄ラット(9-10週齢、350-370g)を用いた。先端が側座核(nucleus accumbens)に位置するようにマイクロダイアライシスカニューレを留置し、さらに動静脈にもカテーテルを入れた後に覚醒させたラットモデルを作成した。血圧、心拍数が安定していることを確認の後、リドカイン単独(3mg/kg/min)またはエピネフィリン添加リドカイン(各々2μg/kg/min、3mg/kg/min)を10分間投与し、痙攣の発生の有無を調べた。その結果、痙攣の発生頻度はエピネフィリンを添加した場合には添加していない場合に比べて有意に上昇した。また、血液中の総リドカイン(蛋白結合、非結合分画の和)は、エピネフィリン添加の有無で差は無かったが、蛋白非結合分画の血中濃度は、エピネフィリンを加えた場合は加えない場合に比べて有意に高かった。さらに特記すべきことに、マイクロダイアライシス法によって測定した脳内のリドカイン濃度(蛋白非結合分画のみ)は、血液中の蛋白非結合分画とほぼ等しく、エピネフィリンの添加により有意に増加した。血中濃度、脳内濃度について、WinNonlin(Pharsight社)を用いてnon-compartment解析を行ったところ、血中の蛋白非結合分画、脳内濃度について、area under the curveはエピネフィリンによって有意に増加することが明らかになった。以上より、エピネフィリンによって脳内の局所麻酔薬の濃度は有意に増加し、これによって中枢神経毒性が増加することが裏付けられた。
|
Research Products
(4 results)