2008 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄虚血モデルにおける灰白質及び白質障害の長期的評価
Project/Area Number |
17591649
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
川口 昌彦 Nara Medical University, 医学部, 准教授 (60275328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50295789)
佐々岡 紀之 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70364073)
古家 仁 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70183598)
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Keywords | 脊髄虚血 / ラット / 白質 / 低体温 |
Research Abstract |
ラット脊髄虚血モデルを用い、軽度低体温や各種薬剤の脊髄虚血後の灰白質傷害と白質傷害への影響について検討した。脊髄虚血は2Frのフォガティカテーテルを大腿動脈から左鎖骨下動脈分岐直下まで挿入し、同時に脱血により頚動脈圧を40mmHgになるように調節した。中枢側の血圧調節により大動脈遮断時の側副血流を一定にすることができると考えられている。運動機能評価についてはBBBスコアを用いて評価した。灰白質傷害は前角部の正常神経細胞数を計測した。白質傷害は空砲化率を計測した。 SDラット(n=95)を常温群、軽度低体温(35℃)、軽度低体温(33℃)の3群に分け、傷害の長期的変化(28日)の観察をおこなった。灰白質傷害は軽度低体温群で有意に少なく、33℃群ではこの効果は虚血後28日まで持続した。白質傷害も同様に、軽度低体温群に保護効果を示したが、時間経過とともに改善傾向が認められた。下肢運動機能は軽度低体温群で有意に良好であったが、時間経過とともに改善した。次に脳虚血などで神経保護効果が報告されているミノサイクリンの脊髄虚血後の神経細胞障害への影響について検討した。虚血3日目の運動機能はミノサイクリン投与群で有意に良好であり、灰白質傷害の程度も軽い傾向が認められた。現在、長期的予後について検討中である。
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Research Products
(4 results)