2006 Fiscal Year Annual Research Report
NMDA受容体拮抗薬の鎮痛薬としてのオピオイド削減効果に関する研究
Project/Area Number |
17591658
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
下山 直人 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 研究所, 研究員 (40196572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下山 恵美 帝京大学, ちば総合医療センター・麻酔科, 教授 (10206253)
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Keywords | オピオイド / 鎮痛補助薬 / オピオイド削減効果 / NMDA受容体 / ケタミン |
Research Abstract |
「目的」神経障害性痙痛以外のがん性疼痛に対して、本来鎮痛効果を持たない鎮痛補助薬(抗けいれん薬、抗うつ薬、抗不整脈薬、NMDA受容体拮抗薬)とオピオイドの併用効果を検討した。「方法」2006年4月-2007年3月までに当科を受診したオピオイドを中心として疼痛マネジメントを行っているがん性痺痛患者で、神経障害性疼痛が明らかでない患者を対象とした。また、痛みの性状として、オピオイドのレスキューに反応するが、オピオイドの増量において通常の副作用対策で眠気などの副作用が調節不良となる患者とした。抗不整脈薬としてリドカイン(静注)(全投与例24例中6例)、NMDA受容体拮抗薬としてケタミン(静注)(全投与例11例中8例)、抗けいれん薬としてギャバペンチン(経口)(全投与例16例中4例)を用いた。鎮痛補助薬の初回投与量-増量時の投与量としてリドカインは240mg-480mg(2群)であり、ケタミンは50mg-100mg(2群)、ギャバペンチンは200mg(眠前の1群のみより開始)としてオピオイド併用による有効性、副作用の出現について検討した。抗うつ薬に関しては効果発現に時間がかかることを考慮し研究から除外した。効果判定はVASで投与24時間後に行った。 「結果」リドカイン群では6例中2例にのみ有効性がみられたが、240mgで1例、480mgで2例であった。リドカイン併用による副作用はみられなかった。ケタミンでは8例中4例に有効性がみられたが、副作用として幻覚が1例出現し患者の希望により中止した。ギャバペンチン投与例では、眠前200mgの初回投与群のみであったが、神経障害性疹痛に使用した12例では3例のみに有効性がみられた。 「考察および総括」がん性疼痛に対する有効性に関して、エビデンスレベルの高いギャバペンチンを中心としてオピオイドの併用効果を検討していきたい。
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