2005 Fiscal Year Annual Research Report
Activinの,前立腺および腎での細胞増殖・分化・癌化に対する効果
Project/Area Number |
17591665
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木原 和徳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40161541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影山 幸雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10211153)
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Keywords | 前立腺癌 / LNCaP細胞 / Activin / 分化誘導 / 前立腺特異抗原(PSA) |
Research Abstract |
前立腺癌細胞LNCaPに対して,Activin Aは,増殖抑制と同時に前立腺特異抗原(PSA)発現を増強することは,前回の科学研究費による実験で証明され,報告した. 今回,この現象が,分化誘導か否かを検討している. In Vitroの実験 1.アンドロゲン非存在下では,LNCaP細胞は増殖をきたすが,Activin Aが一定濃度以上であると,LNCaP細胞は完全に増殖抑制されること. 2.この場合,LNCaP細胞は,PSA発現を一貫して増強しており,分化誘導されたと考えられること. 2.興味深いことに,LNCaP細胞は,Activin Aに1週間以上触れると,その後はActivin Aなしの培養液に戻しても,増殖はみとめられず,不可逆的な分化誘導がおこったと考えられる. In Vivoの実験 1.ヌードマウスの皮下に,LNCaP細胞を植え,外科的に去勢術を施行.この条件でも同細胞は増殖し,皮下腫瘤は増大した.腫瘍周囲にActivin Aまたは生理食塩水を注射した結果,Activin Aは,in vivoにおいても,同細胞の増殖抑制をきたすことを初めて証明した. 2.この結果が分化誘導か否か,現在実験中である. これらの結果は,Activinが,前立腺癌の分化誘導治療に直結する興味深い結果と考えられる.
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