2006 Fiscal Year Annual Research Report
アルキル化ピロールイミダゾールポリアミドによるホルモン抵抗性前立腺癌治療法の開発
Project/Area Number |
17591666
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
兵地 信彦 東京医科歯科大学, 医学部, 非常勤講師 (30275896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影山 幸雄 東京医科歯科大学, 医学部, 非常勤講師 (10211153)
杉山 弘 京都大学, 理学研究科, 教授 (50183843)
木原 和徳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40161541)
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Keywords | ポリアミド / 男性ホルモン受容体 / 抗男性ホルモン剤 / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
前立腺特抗原(PSA)のプロモーターを組み込んだレポーター遣伝子を作製した。また男性ホルモン受容体に点突然変異を導入しビカルタミド耐性のW741C変異体、フルタミド耐性のT877A変異体、そしてW741CとT877Aの二つの変異をもった男性ホルモン受容体変異体を作製した。別に男性ホルモン受容体の下流遺伝子配列部位(ARE)を標的としたポリアミドを数種類合成し、以上の実験系を用いて男性ホルモンによる転写の抑制効果を検討した。レポーター遺伝子を用いた実験では作製したポリアミドの一部が転写を抑制した。この結果を受けて前立腺癌細胞LNCaPを用い、in vivoでのPSA賛成抑制効果を確認したが、蛋白レベルでは有意な抑制はみられなかった。現在別の配列を検討中である。別に臨床で使用されている抗男性ホルモン剤により男性ホルモン受容体抑制効果を上記実験系で検討した。遺伝子変異の状況により、抗男性ホルモン剤の効果が異なることが判明し、またステロイド性の抗男性ホルモン剤はむしろ転写を促進することが明らかとなった。これらの結果は分子モデルを用いたドッキングスタディーと矛盾しない結果であった。上記成果は国際誌(The Prostate)に発表予定である。さらに男性ホルモン受容体を抑制可能な数種類に別の化合物についても検討を進めており、興味深い知見が得られている。今後は抗男性ホルモン剤の効果を高めるポリアミド配列を確立すべく検討を進める予定である。
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