2006 Fiscal Year Annual Research Report
ピロールイミダゾールポリアミドによる低酸素応答転写因子阻害と尿路癌抗癌剤耐性克服
Project/Area Number |
17591667
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
影山 幸雄 東京医科歯科大学, 医学部, 非常勤講師 (10211153)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 弘 京都大学, 理学研究科, 教授 (50183843)
木原 和徳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40161541)
兵地 信彦 東京医科歯科大学, 医学部, 非常勤講師 (30275896)
|
Keywords | ポリアミド / 低酸素誘導転写因子 / 尿路癌 / 熱ショック蛋白 / 抗がん剤 / 血管内皮成長因子 |
Research Abstract |
まず血管内皮成長因子(VEGF)のプロモーターを組み込んだレポーター遺伝子を作製し、実験の基本となる評価系を構築した。その後低酸素誘導転写因子(HIF)の結合配列である血管内皮成長因子(VEGF)の低酸素応答エレメント(HRE)に対するポリアミドを作製し、予想通り血管内皮成長因子(VEGF)の転写を抑えることに成功した。この結果は腎臓癌細胞を用いた別の実験で転写レベル、蛋白翻訳レベルで確認され、国際誌に発表した。また低酸素誘導転写因子(HIF)そのものを標的とした長鎖ポリアミドを数種類作製し、HIFにより転写が抑制できるかどうかを検討した。用意したポリアミドは20塩基対をターゲットにしており、特異性が高まるものと予想されたが分子内のねじれ等が原因と考えられる非特異的反応がみられ、現在標的配列を再検討中である。 次に膀胱癌に対する抗がん剤治療の効果増強のためポリアミドを応用すべく後低酸素誘導転写因子(HIF)以外の分子標的を検討、熱ショック蛋白(HSP)に注目した。基礎検討として抗がん剤治療を行った浸潤性膀胱癌約50例の手術材料での病理組織学的検討からHSP60が抗がん剤の治療効果の予測に有用であることをつきとめた(国際誌に掲載予定)。今後は熱ショック蛋白に対するポリアミドも視野に入れて臨床応用に向けた検討を進める予定である。なお腎臓癌に関しては唯一効果があるとされているインターフェロン遺伝子に低酸素誘導領域を加え、腎臓癌の組織内で高発現するインターフェロン遺伝子の作製に向けて検討を進めている。
|