2005 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌の浸潤・転移機構に及ぼすアンドロゲン受容体の影響に関する分子生物学的解析
Project/Area Number |
17591668
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
布施 秀樹 富山大学, 医学部, 教授 (40143292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永川 修 富山大学, 医学部, 講師 (00217978)
明石 拓也 富山大学, 附属病院, 助手 (70345560)
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Keywords | アンドロゲン受容体 / 浸潤 / 転移 |
Research Abstract |
1 ヒト前立腺癌細胞株DU-145細胞とDU-145にアンドロゲン受容体(AR)のcDNAをトランスフェクションしたDU-145/AR及びDU-145/Neoを用い、それらの細胞表面の各種インテグリンの発現、細胞外マトリクスに対する接着能や浸潤能に比較検討を行った。DU-145/ARはDU-145及びDU-145/Neoと比較してα6とβ4の発現が低下し、α2とα5は逆に発現が亢進した。しかしα3とβ1インテグリンの発現には差を認めなかった。細胞外マトリクスに対する接着能に関しては、DU-145/ARはDU-145及びDU-145/Neoと比較してマトリゲル、フィブロネクチン、ラミニン-1及びラミニン-5に対して有意に接着能が低下した。しかしDU-145/ARは、I型コラーゲンとIV型コラーゲンに対しては逆に有意に接着能が亢進した。DU-145/ARはフィブロネクチンに対する浸潤能も低下したが、細胞運動能には有意な差を認めなかった。しかしながらラミニン-1に対しては浸潤能も細胞運動能もDU-145/ARが亢進した。DU-145/ARはDHT(dihydrotestosterone)を作用させたところ、浸潤能と細胞運動能が低下した。またそれらの細胞の培養上清中のMMP-9やuPAの産生にDHTは影響を与えなかった。DHTはまたそれらの細胞表面のMT1-MMPの発現にも影響を与えなかった。 2 各種前立腺癌細胞と正常前立腺細胞のIL-6産生に及ぼす神経ペプチドのVIPとPACAPの影響について検討を行った。VIPとPACAPはDU-145/ARと前立腺上皮細胞PrECの培養上清中のIL-6の産生を亢進させたが、DU-145、LNCaP及び前立腺間質細胞PrSCのIL-6産生には影響を与えなかった。 3 ARを発現しているLNCaPにDHTを作用させケモカイン受容体のCXCR4の発現をRT-PCRにて検討を行った。DHTによりLNCaPのCXCR4のmRNAの発現は亢進した。 4 各種前立腺癌細胞と正常前立腺細胞のHGF関連因子(HGF,HGFA,HAI-1,HAI-2,c-Met)のmRNAの発現をRT-PCRにてHAI-1タンパクの発現をFACSにて確認した。
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Research Products
(5 results)