2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591682
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
鎌野 寛 Kagawa University, 保健管理センター, 教授 (60284337)
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Keywords | 新光線力学 / 培養細胞 |
Research Abstract |
光線力学療法(Photodynamic Therapy:PDT)とは、光感受性物質と光線照射を用いた光線力学的反応を利用し、各種疾患の治療を行う方法である。PDTは腫瘍の治療にも応用されている。この手順はまず腫瘍細胞内に光感受性物質を取り込ませる。次にその腫瘍組織や細胞に光線を照射する。すると、これにより細胞内に活性酸素が発生する。この活性酸素により腫瘍組織や細胞がダメージを受け死滅する。PDTは正常細胞に対する影響が低い光感受性物質を使用し、照射する光線もエネルギーの低いものを使用するので生体に対する悪影響が少ないと考えられている。培地に13、17-bis(1-carboxypropionyl)carbamoylethyl-3,8-bis(1-decanyloxyethyl)-2,7,12,18-tetramethyl-porphyrinato gallium(III)(光感受性物質)を一定量添加し、37℃、5%CO_2濃度下で一晩インキュベートした。次に培養細胞をリン酸緩衝液(PBS)にて洗浄し光感受性物質を取り除いた。そして、フェノールレッドを添加していないRPMI1640培地に、ウシ胎児血清(FCS)10%を加え、培養細胞に添加した。培養細胞に37℃、5%CO_2濃度下で525nmの可視光線を1時間照射した。その後も培養細胞の培養を持続した。今回われわれはTI1細胞を使用して実験を行った。光感受性物質100nM存在下において光線照射した場合、培養開始後72時間で細胞増殖は75.0%抑制することができた。100nM存在下において光線照射しなかった場合、培養開始後72時間で細胞増殖は3.4%の抑制しか認められなかった。TI1細胞については光線照射のない状態において、薬剤は殆ど細胞の増殖を抑制しないが、光線照射がある場合にのみ増殖抑制を誘導することが判明した。
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