2006 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化症との類似性からみた尿路結石症の成因の研究:特に転写因子NF-κBの関与
Project/Area Number |
17591691
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Research Institution | NAGOYA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40264733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郡 健二郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (30122047)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (40238134)
安井 孝周 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (40326153)
伊藤 恭典 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (70295608)
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Keywords | 動脈硬化 / アディボネクチン / 尿路結石症 |
Research Abstract |
実験には8週齢雄性SD系ラット(日本クレア)を用いた。実験群は標準試料を与える標準飼料群(normal diet群)とHigh Fat Diet32を与える高脂肪食群(HFD群)の2群に分けて、8週齢より2ヶ月投与した。17週齢目から蔭酸前駆物質であるエチレングリコール(以下EG)0.5%を自由飲水させる群と水道水を自由飲水させる群にND群、HFD群を各々2群、計4群に分け、それぞれ各群5例とした。EG投与開始日を実験開始0週目とし、0週目、1週目、2週目に代謝ゲージにて24時間蓄尿を行った後、ネンブタール麻酔下に愛護的に屠殺し、血液は下大静脈より採取。組織は腎、腸間膜脂肪組織大動脈を採取した。尿は蔭酸、クエン酸、カルシウム、リン、マグネシウムを測定。血液よりNa, K, Cl, Ca, P, Mg, Cre, T-chol, TG, HDL, Glcを測定。腎組織脂肪組織よりRNAを抽出し定量PCRを施行。Adiponectin, Adiponectin receptor, PPARγを測定した。 蓚酸はHFD群より標準飼料群のほうが、EG投与開始前には高値を示し、EG投与開始後もHFD群は標準飼料群より低値を示した。クエン酸はEG投与開始前より標準飼料群でHFD群より高値を示した。カルシウム、リンともにHFD群が標準飼料群よりEG投与開始前より高値を示した。マグネシウム排泄は標準飼料群でHFD群より高値であり、EG投与の日数に比例して標準飼料群で有意に排泄量が増加した。HFD群では標準飼料群に比べ、明らかに腹腔内脂肪の増加を認めた。EG投与開始前では腎は肉眼的所見では差を認めなかったが、EG投与開始1週目よりHFD群では腎の著明な肥大を認めたAdiponectinはHFD群、標準飼料群ともにEG投与開始前ではほとんど発現していなかったが、標準飼料群ではEG投与開始2週目で発現の上昇を認めた。標準飼料群の脂肪組織ではEG投与開始後、adiponectin発現促進因子であるPPARγの上昇とともにadiponectinは発現が上昇していた。 Adiponectin receptorはHFD群ではEG投与開始後、有意に発現が減少していた。
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