2006 Fiscal Year Annual Research Report
細径経直腸的超音波探触子を用いたリアルタイム排尿動態解析システムの開発
Project/Area Number |
17591695
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
沖原 宏治 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80285270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 晃和 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (10381964)
三神 一哉 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (10291585)
水谷 陽一 京都府立医科大学, 医学研究科, 淮教授 (10243031)
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学研究科, 淮教授 (90240952)
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10243239)
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Keywords | 前立腺肥大症 / 前立腺癌 / 下部尿路閉塞症 / 超音波 / 前立腺全摘除術 / 排尿障害 / 尿失禁 |
Research Abstract |
内圧尿流検査に代わる排尿動態検査として、前立腺超音波検査(TRUS)に使用する経直腸探触子を肛門内に挿入し、前立腺部尿道の開大を経時的に観察する、voiding TRUSの検査症例を蓄積した。初期報告では、前立腺肥大症を代表とする下部尿路閉塞症状を伴った症例に限定されていたが、本研究の開始に伴い、早期前立腺癌と診断され根治的前立腺全摘除術を施行された症例に対し、術後尿失禁を有する症例と有さない症例を大別し、同検査を施行し、前立腺摘出後の膜様部尿道の開大様式のパターン解析を行った。従来型の経直腸探触子は口径が大きいため、その刺激から16%の患者において排尿が不可能であったが、本研究の細径経直腸的超音波探触子は、被験者による排尿時のアンケート調査でも生理的な排尿時と有意差を認めない非侵襲的検査であることが明らかとなった。また、下部尿路閉塞症例、前立腺全摘除術症例の如何に関わらず、ほぼ100%排尿可能であった。正常例では排尿初期から膀胱頸部が良好に開大し、経時的にも、開大径終末にいたるまで、2-3cm程度、開大径が持続していた。開大径は膀胱頸部より、より抹消側になるに従い、短くなった。また、膀胱頸部から1cm以上の尿道側では、開大径の有意差を示さず、ほぼ同様に開口パターンをしめした。膀胱頸部の開大様式が尿流量測定の最大尿流率時に最も開口径が大きく相関性を有することが示唆された。前立腺肥大症症例では、前立腺尿道全体の描出が困難であり、12秒から16秒まで追跡不能時間を認めた。膀胱頸部の立ち上がりまでの延長が認められ、8秒時で各断面の口径が受動的にもっとも開大していた。前立腺全摘術後、正常例では膀胱頸部の開口径は排尿初期からほぼ定常的に開口しており、非手術正常例とほぼ各断面の経時的開口様式はきわめて近似しているのに対し、前立腺全摘術後、尿失禁、尿道狭窄例では、排尿前から膜様部尿道の短縮化を認め、尿道狭窄例では、頸部径が有意に短かった。前立腺全摘除術症例のなかで、術後尿失禁を有さない症例における膜様部尿道の開大様式は、前立腺を有し、下部尿路閉塞を伴わない、いわゆる正常例のパターンに類似することが示唆された。
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Research Products
(6 results)