2005 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌における浸潤能、薬剤耐性能獲得へのミトコンドリアDNAの役割に関する検討
Project/Area Number |
17591698
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
松本 和将 北里大学, 医学部, 助手 (70306603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 啓 北里大学, 医学部, 講師 (50193694)
佐藤 威文 北里大学, 医学部, 講師 (50286332)
馬場 志郎 北里大学, 医学部, 教授 (00051889)
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Keywords | ミトコンドリア / 膀胱癌 / 薬剤耐性 / 浸潤能 / 呼吸能 / アポトーシス |
Research Abstract |
ミトコンドリアDNAの動態を用いて、膀胱癌の表在性癌から浸潤癌への浸潤能、また、薬剤耐性のメカニズムの解明を行うべく研究を行っている。全ミトコンドリDNAについての通常PCR法をおこなっていたが、約16000bpsと比較的大きなDNAであるため、結果が不安定であった。この課題に対して我々はsingle cell PCR(nested PCR)を改良して用い、安定したPCRの結果を得ることに成功した。同PCR法を用いて種々の膀胱癌細胞株をもちいてミトコンドリDNAの発現状態を確認したところ、癌異型度の上昇に伴いミトコンドリアDNAの発現が低下していることを確認した。また、RT4(高分化膀胱癌細胞株)とRT4より作成した全ミトコンドリアDNA欠落細胞にてPCRを施行し、確実にミトコンドリアが欠落していることを確認した。また、ミトコンドリDNAを細胞より欠落させることにより、劇的な形態変化を確認し、さらにミトコンドリアの再導入にて形態が再び元に戻ることも確認した。現在、親細胞(RT4)、全ミトコンドリアDNA欠落細胞、ミトコンドリア再導入細胞を用いて浸潤能変化の観察を行っている。また、T24(未分化膀胱癌細胞株)を用いてシスプラチン耐性株を作成し、ミトコンドリアDNAの変化や呼吸能、アポトーシスの発現状態を現在検討している。今後、薬剤耐性能獲得、細胞周期、サイトカインや膜蛋白の発現もミトコンドリDNA欠落細胞を用いて検討する予定である。
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Research Products
(6 results)