2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591702
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
堀江 重郎 帝京大学, 医学部, 教授 (40190243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 智 帝京大学, 医学部, 講師 (30345194)
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Keywords | 多発性嚢胞腎 / 不飽和脂肪酸 / 高血圧 |
Research Abstract |
【目的】大豆蛋白投与がADPKDの動物モデルにおいて嚢胞形成を抑制することが知られ、ω3不飽和脂肪酸によると考えられている。またADPKD患者に対する腎不全の憎悪因子は高血圧であり、実際35歳以前に高血圧を指摘された患者は腎機能の予後が悪い。われわれはω3不飽和脂肪酸であるイコサペント酸(エパデール(R):EPA)およびアンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)のADPKDに対する治療効果を検討した。【方法】ADPKD患者をEPA+ARB投与群、ARB単独投与群、非投与群にわけ、投与前、投与1年後の腎機能(s-Cr, Ccr)および腎容量を比較した。ARBはtelmisartanもしくはcandesartanを投与した。【結果】EPA(2400mg)+ARB投与群9例(平均年齢48.1歳)、ARB単独投与群9例(平均年齢50.0歳)、非投与群24例投与群(平均年齢52.8歳)であった。非投与群では12ヵ月後に有意な腎機能の低下を認めたが(Ccr:前;69.8±22.9ml/min、1年後;47.9±21.Oml/min、p=0.038)、EPA+ARB群(Ccr:前;50.2±17.2ml/min、1年後;40.6±23.6ml/min、p=0.468)およびARB群(Ccr:前;73.6±51.6ml/min、1年後;58.4±37.Oml/min、p=0.589)では腎機能に有意な差は認めなかった。腎容量はいずれの群でも有意な変化を認めなかった(EPA+ARB群:3384.7±2042.7vs.2756.4±1065.6ml ; p=0.552、ARB群:1939.3±734.7vs.2258.7±1450.7ml ; p=0.751、非投与群:1809.2±1277.8vs.1911.8±1109.9ml ; p=0.793)。【結語】ADPKD患者に対するEPAおよびARBの投与が、腎機能増悪を抑制する可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)