2008 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球移入および生殖細胞移植を用いた免疫性精子形成障害モデルの作成とその解析
Project/Area Number |
17591704
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 正裕 Tokyo Medical University, 医学部, 教授 (00232471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺山 隼人 東京医科大学, 医学部, 助教 (00384983)
内藤 宗和 東京医科大学, 医学部, 助教 (10384984)
平井 宗一 東京医科大学, 医学部, 助教 (70516054)
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Keywords | 移植 / AutoMACS / Green Mouse / busulfan / SCID / 精細管 / マウス |
Research Abstract |
前年度まで、自作のインジェクション装置「ガスバーナーでガラス管(1.0×90mm、Narishige社)に熱を加えて、萎縮した精細管に移植可能な外径約50um」を作成し、精細管内あるいは精巣網内注入法を確立した。また、C57BL/6jマウスおよび先天的に生殖細胞を欠いているw/wマウスに、蛍光緑発色するグリーンマウス(=C57BL/6-Tg(CAG/Acr-EGFP)C3-No1-FJOO2Osb:精子を含むすべての細胞が蛍光緑発色するマウス)の生殖細胞を移植する実験を試み、移植3ヵ月後に移植されたマウスの精細管中に蛍光緑発色の細胞が散在(生着)することを観察しました。今年度は、C57BL/6jマウスをブスルファン(45mg/kg)処理し、精細管内の生殖細胞を欠失させた後に、それらマウス精巣へのSDラットの精祖細胞移植を行い、異種の移植細胞の生着または拒絶の比較解析を検討した。その結果、移植3ヶ月後マウスの精細管中にラットの生殖細胞が生着し分化することを観察した。また、移植されたマウスの精巣上体から精子を抽出してsmear sectionを作成し、成熟したラットとマウスの両方のspermatozoaを確認した。ブスルファン処理されたマウスの精巣と異なり、マウス内因性精子形成もある程度回復が観られた。現在、ラット生殖細胞のnudeあるいはscidマウスの精巣への移植による生殖細胞分化の研究が盛んに行われているが、本年度の研究の結果より、免疫正常マウスでも、ラットの生殖細胞の生着ができ、正常に分化・成熟することが分かった。さらに、ブスルファン処置後ラットの生殖細胞移植された精巣には、ラットの精子形成のみならず、マウス自身の精子形成も再生することが明らかとなった。
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Research Products
(21 results)