2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト造精機能障害に関与する精細管基底膜内糖蛋白質の同定と機能解析
Project/Area Number |
17591706
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
岩本 晃明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (60046117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 陽子 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50398963)
吉池 美紀 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究補助員 (60398964)
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Keywords | 糖 / 蛋白質 / 発生-分化 / 精子形成 / 精細胞培養系 |
Research Abstract |
現在までに造精機能障害を示すヒト精巣に特異的な現象である精細管基底膜の肥厚について検討を行い、肥厚した基底膜における糖蛋白質の存在を明らかにしてきた。本研究ではこの糖蛋白質及び糖蛋白質生成細胞の同定、糖蛋白質の機能解析及び細胞レベルでの糖蛋白質生成解析を行うためのヒト精巣由来細胞の樹立を目指している。 本年度の研究においては、ヒト精巣由来細胞樹立にむけての検討を行った。p EGFp-lucを導入遺伝子マーカーとてリポフェクチン法、リン酸カルシウム法、非ウイルス性ベクター(HVJ-E)を用いた膜融合法により、比較的増殖性のよい接着性のヒト精巣由来細胞及び、私達が確立した成熟マウス由来セルトリ細胞株(A31C4)(特許申請中)に対し遺伝子導入を試みた。様々な条件を検討した結果、A31C4に対しては、HVJ-Eを用いた22時間のincubationでp EGFp-luc遺伝子導入及び発現の効率が最大であったが、ヒト精巣由来細胞に対しては遺伝子導入の効率は低くさらに発現異常が見られた。理由としてこのヒト精巣由来細胞の増殖能力が低いことが考えられる。次に、A31C4と精細胞と分離した新生仔green mouse精巣由来の精原細胞を共培養することにより、精原細胞の維持及び増殖、精母細胞への分化能を明らかにした。さらに、A31C4とヒト精巣由来細胞との共培養によりヒト精原細胞を数週間、またヒトSertoli cellの増殖を少なくとも1ヶ月維持できることを明らかにした。成熟したヒト由来の正常なSertoli cellの増殖は難しいことが知られているため、共培養後両者由来のSertoli cellの分離方法を確立すれば、ヒト精巣由来細胞樹立及びヒト精細胞の分化、増殖のin vitroでの再現に対し、この共培養系は大きく寄与するものと考えられる。
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Research Products
(1 results)