2006 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科癌における発生誘導転写因子異常と癌細胞正常化の検討
Project/Area Number |
17591710
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
山下 剛 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30271787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 英人 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20359491)
渡辺 まり子 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (80422054)
横浜 祐子 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (20400111)
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Keywords | ホメオボックス / HOX / 卵巣癌 / 子宮癌 / 浸潤転移 |
Research Abstract |
本年度は前年度の研究成果である卵巣癌における過剰発現HOX遺伝子抑制化による卵巣癌に対する転移浸潤抑制の影響の原因をより詳しく調査した。すなわちHOX遺伝子が転移浸潤に関する遺伝子に直接ないしは間接的に影響することで、その接着機能を制御している可能性があるかどうか転移に関する関連遺伝子の検討を行うとともに、昨年度検討しきれなかった他のHOX候補遺伝子についても検討を行った。 まず、昨年作製した癌浸潤転移についての解析を行ったアンチセンス導入卵巣癌細胞のうち、シングルアンチセンス導入細胞を用いてこれを発現抑制基準細胞とした。さらにこれに対してオリジナル細胞、すなわちHOX発現過剰細胞であるSKOV3との間で、発現量の異なる遺伝子があるかどうか以下の遺伝子プライマーを作成して検討した。 これらはBMP-4,brachyury, CXCR-4,ほか合計23の遺伝子である。これらはすべて細胞接着に関与することが示唆されているか、子宮卵巣の発生に関与していると考えられている遺伝子である。しかしながらこれらの遺伝子にはアンチセンスあるいは非アンチセンス導入細胞問での発現の差は認められなかった。 一方、これらの遺伝子を正常卵巣細胞と卵巣癌細胞であるSKOV3あるいは子宮体癌細胞と子宮体癌細胞株との間でその発現量の違いを観察すると、スクリーニングの結果卵巣癌ではDLX1が、子宮体癌ではTBX1が発現異常を起こしていることが示唆された。どちらも過剰発現によりHox遺伝子とは別個にそれぞれの癌化や癌の進展に寄与している可能性が示唆された。 18年度の研究の成果は2006年日本産科婦人科学会総会(横浜)、2006年米国癌学会(ワシントンDC)、2006年日本癌学会(横浜)で報告された。 また、卵巣癌の研究成果については17年度の子宮体癌に引き続き外国の英文雑誌への掲載がなされた。
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Research Products
(1 results)