2006 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜・乳腺での性ステロイド代謝経路及び応答遺伝子群の差違の解明
Project/Area Number |
17591713
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 潔 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (70241594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重樫 伸生 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00241597)
笹野 公伸 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50187142)
林 慎一 東北大学, 医学部, 教授 (60144862)
鈴木 貴 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (10261629)
田村 充利 東北大学, 病院・助手 (90292325)
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Keywords | Endometrial cancer / Breast cancer / Progesterone receptor / Estrogen / Cyclin B1 / CDC2 / Hormone replacement therapy |
Research Abstract |
平成18年度は、子宮内膜癌細胞および乳癌細胞でのプロゲステロン応答遺伝子の差違を調べる目的で、大規模マイクロアレイなどを施行し、解析した。またプロゲステロンレセプターの発現が子宮内膜・乳腺で異なるか否かを検討した。【対象及び方法】1)乳癌培養細胞(MCF-7)をもちいてエストロゲンおよびプロゲステロン(MPA : medroxyprogesterone acetate)添加後の遺伝子発現動態を大規模マイクロアレイで検討した。得られた情報をもとに、細胞周期関連遺伝子を2種類ピックアップし、内膜癌培養細胞(Ishikawa)と乳癌培養細胞での発現動態の差を検討した。2)正常内膜、内膜癌100例を用いて、プロゲステロンレセプターの発現を検討し、乳癌と比較した。【結果】1)エストロゲンとプロゲステロンの相乗効果により、発現が増強、あるいは減弱する遺伝子群が存在し、発現増強遺伝子群中には、complexを形成してG2/M期の細胞回転促進に関与する細胞周期制御遺伝子Cyclin B1、CDC2が認められた。内膜癌培養細胞ではこの遺伝子の発現増強は認められなかった。2)プロゲステロンレセプターのisoformの発現動態は、乳癌とは大きく異なっていた。【結論】1)エストロゲンとプロゲステロンの相乗効果による応答性は、乳癌と内膜癌で大きく異なっていた(2006東北医学雑誌)。2)乳癌と内膜癌ではプロゲステロンレセプターのisoformの発現動態が異なり、そのことがプロゲステロンに対する両者の反応性の差違に結びついていると考えられた(2006 Cancer Science)。3)これらの検討より、内膜癌と乳癌は、従来、性ホルモン依存性腫瘍として一括りにされてきたにも関わらず、プロゲステロンに対する反応性が異なる組織であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)